モバイルSuicaとモバイルPASMOはどっちを使うべき?定期券機能やチャージ方法、ポイント還元など徹底比較
※記事内に広告を含む場合があります
当サイトは更新を終了しました。
長きにわたり当サイトを愛読、応援くださった方々には誠に感謝しております。
※この記事の内容は執筆時点のものです。サービス内容・料金など、現時点の最新情報とは異なる場合がございます。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
交通系ICカード・電子マネーのうち、モバイル対応をしているのはSuica(スイカ)とPASMO(パスモ)の2つです。
いずれもおサイフケータイ対応のスマホに、アプリをインストールして利用登録をすると、スマホで電車・バスの利用や、買い物の支払いに使えます。
SuicaやPASMOエリア外にお住まいの方でも、スマホで簡単に交通系ICカードを入手・利用ができます。
2020年3月17日までは「スマホで交通系ICカードを使うならSuica一択」な状態でしたが、3月18日からモバイルPASMOがサービスを開始しました。
モバイルSuicaとモバイルPASMO、どちらを利用すれば良いか?
とお悩みの方向けに、モバイルSuicaとモバイルPASMOのサービスを比較しました。
2020年10月6日:追記更新
iPhoneでもモバイルPASMOが使えるようになりました。
おサイフケータイ対応のAndroidスマホなら、モバイルSuicaとモバイルPASMOの両方で使えます。
ちなみに、モバイルSuicaは、ケータイ(フィーチャーフォン)にも対応しています。
ただし、2020年2月25日または12月22日にサービスを終了予定です(機種によって終了日に違いあり)。
ほとんどのサービスは利用不可ですが、現金チャージをして、電車・バスの利用、お買い物の支払いには引き続き使えます。
目次
一部機種のみモバイルSuica・PASMOの併用が可能
一つのスマホでモバイルSuicaとモバイルPASMOの併用が可能かどうかは、機種によって違います。
- モバイルSuica・PASMOの両方とも、発行可能(併用可)
- モバイルSuica・PASMO、どちらかのみ発行可能(併用不可)
- モバイルSuicaのみ対応
2020年3月18日現在、ほとんどの機種でモバイルSuicaとの併用不可です。
SONYのXperia 1やGoogleのPixel 4など、比較的新しい機種のみ併用が可能です。
参照:モバイルSuica・PASMO対応機種一覧(PDFファイル)
併用不可のスマホにモバイルPASMOをインストールしても、下記の画面が出て、アプリ起動ができません。
カード処理でエラーが発生しました。他の交通系カードが既に発行されております。
詳細はサポートポータルもしくは、https://vmenu.pasmo.jp/をご確認ください。(F0-08)
併用可能な場合は、おサイフケータイアプリの設定から、モバイルSuicaとモバイルPASMOの切り替えができます。
たとえば、メインカードを「モバイルPASMO」に設定すると、スマホをかざしたときにPASMOが使えます。
メインカードから外れた方は、電車やバス、お店の支払いには利用できません。
手動での切り替えが必要なので「モバイルSuica定期券区間内はモバイルSuica、それ以外はモバイルPASMOになる」など、自動切り替えモードはないです。
発行手数料・年会費は無料
モバイルSuica・モバイルPASMOともに、発行手数料・年会費は無料です。
カードタイプとは違い、預り金(500円)もかかりません。
モバイルSuicaは登録クレジットカードがビューカード以外だと、年会費が1,030円かかりましたが、2020年2月26日以降から無料になりました。
登録可能なクレジットカード
モバイルSuica・PASMOを最大限活用するには、クレジットカードの登録が必要不可欠です。
会員登録時にクレジットカード情報を登録すると、下記の機能・サービスが使えます。
- 定期券の購入・利用
- クレジットカードからのチャージ
- スマホ紛失・故障時の再発行
カードタイプのSuica・PASMOでは、残高へのクレジットチャージは、ごく一部の対応カードに限定していました。
手持ちのクレジットカードからチャージしたい人にも、モバイルSuica・モバイルPASMOを利用するメリットは大きいです。
- モバイルSuica
- VISA、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club
クレジットカードは1枚のみ登録可能 - モバイルPASMO
- VISA、Mastercard、JCB、American Express
クレジットカードは2枚まで登録可能
モバイルPASMOでDiners Clubブランドのクレジットカードを登録できない以外は、ほとんどのクレジットカードに対応しています。
ちなみに、モバイルSuicaとモバイルPASMOでは、海外発行のクレジットカード、ブランドプリペイドカード・デビットカードの登録はできません。
モバイルPASMOは3Dセキュアが必須
モバイルPASMOは3Dセキュア非対応のクレジットカードも登録不可です。
モバイルSuicaは3Dセキュア非対応・非登録のクレジットカードも可能なため、モバイルPASMOはセキュリティ対策を強化している印象をもちます。
3Dセキュアとは、ネット上のカード不正利用を防止する本人認証サービスです。
カード決済時に、カード会社に事前登録したパスワードを入力したり、デバイス情報で認証をしたりすることで、本人確認を行います。
本人認証サービスの名称は、カードブランドごとに異なります。
- VISA:VISA認証サービス
- Mastercard:SecureCode
- JCB:J/Secure(ジェイセキュア)
- American Express:American Express SafeKey
- Diners Club:Protect Buy
本人認証サービスは、カード会社の会員サイトから新規登録とパスワード設定ができます。
モバイルPASMOのクレジットカード登録に失敗する方は、登録予定のカードで3Dセキュア認証を済ませているか確認をお願いします。
不正利用が怖いから、クレジットカード情報を登録するのは怖い。
と不安に思う方にも、モバイルPASMOの利用をおすすめします。
定期券
モバイルSuica・モバイルPASMOともに、定期券として利用もできます。
- モバイルSuica
- 対象:JR東日本、JR線と私鉄・地下鉄線(連絡定期券の発売範囲を参照)
種類:通勤定期券・通学定期券・グリーン定期券・新幹線定期券(FREX・FREXパル) - モバイルPASMO
- 対象:関東私鉄・地下鉄・バス(モバイルPASMO定期券発売予定事業者一覧を参照)
種類:鉄道定期券(単独・連絡定期券)、バス定期券(金額式定期券・全線定期券)
※いずれも通勤定期券・通学定期券あり
定期券は大人用のみ発行できます。子ども用定期券は、引き続きカードタイプでの利用になります。
モバイルSuicaでは「他社線のみ(JR東日本の区間を含まない)」や「他社線―JR線―他社線の組み合わせ(区間によっては購入可)」の定期券は購入できません。
そのため「モバイルSuicaで東京メトロの定期券を購入したい」と思っても、JR線を含まないため、カードタイプのPASMO定期券を利用するほかありませんでした。
今までモバイルSuica定期券の対象外だったPASMO定期券利用者は、モバイルPASMOに切り替えるメリットは大きいです。
一方で、「モバイルSuica定期券を不便なく使っている」という方は、そのままモバイルSuicaを継続したほうが手間がありません。
モバイルPASMOはバス定期券の購入が断然便利
バス定期券は、モバイルSuica・モバイルPASMOのどちらでも使えます。
ただし、モバイルSuicaはアプリから直接バス定期券の購入はできず、定期券窓口で情報を書き込んでもらう必要がありました。
モバイルPASMOなら、スマホから定期券の新規・継続購入が可能です。
定期券窓口の営業時間を気にする必要なく、いつでも発行できるのは助かります。
支払い方法はクレジットカードのみ
定期代の支払い方法は、アプリに登録したクレジットカードのみ使えます。
たとえば、現金でチャージした残高から、定期代の支払いはできません。
PASMO鉄道・バス事業者のなかには、定期券の支払い方法は「現金払いのみ」や「提携クレジットカードのみ」な場合も少なくありません。
一方、モバイルPASMOなら、ほとんどすべてのクレジットカードで支払いができます。
- 現金のみ
- 東葉高速鉄道、埼玉高速鉄道、湘南モノレール、千葉都市モノレール、多摩都市モノレール、ゆりかもめ、流鉄(総武流山線)、伊豆箱根鉄道、金沢シーサイドライン、江ノ島電鉄、芝山鉄道
- 提携クレジットカードのみ
- 京王電鉄、京成グループ(京成電鉄・北総鉄道・新京成電鉄)、京浜急行電鉄、東武鉄道、つくばエクスプレス、相模鉄道、横浜市交通局
※太字はモバイルPASMO定期券発売予定の事業者(2020年3月13日現在)
京成グループは3月18日より対応カードブランドを拡大。
モバイルPASMO定期券なら、定期券代に応じて、クレジットカードの決済ポイントが貯まるため、現金払いよりもお得に定期券を使えます。
カードタイプのPASMO定期券から、モバイルPASMOへの移行(切り替え)はできません。
PASMO定期券を払い戻すか、期限切れになるのを待った後、モバイルPASMO定期券を新規購入する必要があります。
モバイルSuicaでは、新規会員登録時に切り替え手続きが可能です。
モバイルPASMOはバス特の履歴が確認できる
一部のバス事業者では、SuicaやPASMOでバスに乗車・運賃を支払うと、「バス特(バス利用特典サービス)」が利用できます。
バス特では、毎月のバス利用金額に応じて、バスポイントが貯まります(1円ごとに1ポイント)。
バスポイントが1,000ポイント貯まるごとに、100~330円分の「特典バスチケット」になり、次回のバス利用の際、自動的に支払いへ使われます。
モバイルSuicaやSuicaカード、PASMOカードでは、バスポイント数や特典バスチケット残額の把握が難しく「なんとなく貯まって使っていた」場合がほとんどでした。
モバイルPASMOでは、バス特の累計バスポイントや特典バスチケット残額が、いつでも確認できます。
残念ながら、モバイルSuicaではバス特情報の確認ができません(サービス対象外)。
ふだんからバス利用が多い人にも、モバイルPASMOを利用するメリットは大きいです。
SF(電子マネー)へのチャージ方法
モバイルSuica・PASMOともに、チャージ上限額は2万円です(カードタイプと同じ)。
- 現金
- コンビニやスーパーのレジ、セブン銀行ATM、バス車内などでチャージ。
カードを挿入するタイプの券売機やチャージ機は利用不可。 - クレジットカード
- アプリに登録したクレジットカードから、その都度またはオートチャージ。
チャージ金額は、クレジットカードの利用代金として、後日引き落とし。
※モバイルSuicaの銀行口座からのチャージは、サービスを終了しています。
チャージ方法は、圧倒的にクレジットカードが楽でお得です。
「残高が減ってきた」と思ったら、アプリからいつでもチャージできます。
(クレジットチャージの利用可能時間は、4時~翌日2時で、共通です)
PASMOのクイックチャージが、どのカードでも、スマホで可能なのは、利便性が高いです。
チャージ金額は後払いになり、手持ちのお金が心細いときも、使いやすいです。
クレジットカードの決済ポイントは、利用代金に応じて貯まるため、ポイント還元率が高いクレジットカードの登録をおすすめします。
対応カードの登録でオートチャージも使える
オートチャージ対応のクレジットカードを登録した場合、オートチャージも使えます。
SuicaまたはPASMOエリアの改札入場時に、残高が設定金額以下だった場合、自動的に一定金額がチャージされます。
- モバイルSuica
- ビューカード、提携カード
- モバイルPASMO
- PASMOオートチャージ対応のクレジットカード
PASMO鉄道事業者ごとに、PASMOオートチャージサービスに対応したクレジットカードを発行しています。
主要なクレジットカードを一覧でまとめてみました。
- PASMO
- パスタウンPASMOカード
- 小田急
- OPクレジット、JALカード OPクレジット
- 京王
- 京王パスポート、京急プレミアポイント
- 京成
- 京成カード
- 相鉄
- 相鉄カード
- 西武
- SEIBU PRINCE CLUBカードセゾン、JALカード TOKYU POINT ClubQ、ANA TOKYU POINT ClubQ PASMO
- 東急
- TOKYU CARD ClubQ JMB、
- 東京メトロ
- 東京メトロ「To Me CARD Prime」、ANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード)
- 東武
- 東武カード、東京スカイツリー東武カードPASMO
- 横浜交通
- 横浜交通hama-eco card
ポイントサービスとポイントの貯め方
- モバイルSuica:JRE POINT
- モバイルPASMO:PASMOキャッシュレスポイント還元、各事業者のポイント
SuicaとPASMOでは、独自のポイントサービスを展開しています。
Suica:電車・バス利用、お店で買い物
JRE POINTは、JR東日本グループの共通ポイントです。
Suica残高でJR東日本の在来線を利用したり、対象店舗での支払いをしたりすると、JRE POINTを貯められます。
SuicaカードとモバイルSuicaでは、ポイント付与率に違いがあり、後者を利用した方が多くのポイントを獲得できます。
- SuicaでJR東日本の在来線を利用
- カードタイプ:最低1ポイント付与、1回の利用額✕0.5%ポイント還元
モバイルSuica:最低1ポイント付与、1回の利用額✕2%ポイント還元 - Suicaグリーン券の購入
- カードタイプ:1回の利用額✕0.5%ポイント還元
モバイルSuica:1回の利用額✕2%ポイント還元 - モバイルSuica定期券の購入
- モバイルSuica:1回の利用額✕2%ポイント還元
- 【Suica登録して貯まる】の店
- 100円または200円ごとに1ポイント付与
定期券区間内の利用は、JRE POINT(乗車ポイント)の付与対象外です。
【Suica登録して貯まる】の店は、NewDays(ニューデイズ)、KIOSK(キオスク)、駅ナカの自動販売機、アリオ、イトーヨーカドー、紀伊國屋書店などあります。
JR線や駅チカのお店をよく利用する人にも、モバイルSuicaが向いています。
PASMO:対象店舗での買い物など
PASMOの利用で受けられるポイントサービスは「PASMOキャッシュレス還元サービス」と「各PASMO事業者の独自サービス」の2パターンあります。
- PASMOキャッシュレス還元サービス
- キャッシュレスマークのある対象店舗で買い物をするとポイント還元が受けられる(2020年6月まで)
- 各PASMO事業者のポイント(一例)
- メトポ:東京メトロ線に乗車、メトロポイントPlus加盟店での買い物でポイント付与
ToKoPo:都営地下鉄や都電荒川線などへの乗車でポイント付与
PASMOキャッシュレス還元サービスとメトポはモバイルPASMOに対応、ToKoPoは非対応です(2020年3月18日現在)。
基本的にPASMO対応のクレジットカード利用でポイントを貯めるのが主流のため、PASMO単体の利用でポイントを貯める機会は少ないです。
これはモバイルPASMOでも同様と言えます。
結論:PASMO定期券・バス利用者以外はモバイルSuicaで充分
現状、モバイルSuicaとモバイルPASMOの併用利用が可能なのは、ごく一部の機種に限られます。
すでにモバイルSuicaを利用しており、今の使い方で特に不満を感じていないなら、無理にモバイルPASMOへ切り替えはしなくても良いと思います。
たとえば、サイト管理人(昼時)は「iPhoneユーザー、モバイルSuica利用者、SuicaはICOCAエリアの電車やバスで利用」なので、モバイルPASMOならではの恩恵を一切受けられません。
モバイルPASMOの利用がおすすめなのは、以下のいずれかの項目に当てはまる人です。
◯私鉄のみ使っており、スマホでPASMO定期券を利用したい。
◯バス定期券をモバイルPASMOで購入・利用したい。
◯バス特が対象になるバスの乗車が多い。
◯PASMO定期券の購入や、PASMOへのチャージを手持ちのクレジットカードでしたい。
◯PASMO対応クレジットカードを、今以上に活用したい。
ほとんどの人は、モバイルPASMOの登場以降も、モバイルSuicaの継続利用になるかと思います。