ICOCA(イコカ)
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ICOCA(イコカ)は、JR西日本が発行する交通系ICカード&電子マネーです。
関西・中国・北陸を中心に利用されており、大手私鉄が展開するPiTaPa(ピタパ)よりも申込みや発行が簡単なことから、多くの人に所有されています。
ただし、Suicaなどの他の交通系ICカードと比較して利用率が低い(切符優勢)のが課題でした。
2018年9月末に昼特きっぷの発売が終了&翌月にポイントサービスが開始したことから、今後さらなる利用が期待される1枚です。
目次
ICOCAカードは主に5種類
ICOCAは以下の5枚のラインナップがあります。
- ICOCA(無記名)
- ICOCA定期券
- SMART ICOCA
- SMART ICOCA定期券
- こどもICOCA(記名)
- こどもICOCA定期券
他にも、近鉄グループ各社のKIPSポイントサービスが付帯した「KIPS ICOCAカード」や、期間限定の「記念デザインICOCA」もあります。
SMART ICOCA(スマートイコカ)とは、クレジットカードと紐付けることで、駅構内の券売機などで、現金なしでチャージができる「クイックチャージ」機能が使えるICOCAです。
他の交通系ICカードとは違い「ICOCA一体型クレジットカード」、「モバイルICOCA」はありません。
ICOCA1枚あれば全国各地で使える
ICOCAを含む複数の交通系ICカードは、全国相互利用ができるようになっています。
電車やバスなどの乗車、追加チャージも、ICOCAエリアと同じように行なえます。
また電子マネーも共通化しており、例えば、東京に行った時にSuica対応のお店があった場合「ICOCA(またはSuica)で払います」と言えば支払いも可能です。
ただしICOCA以外にも当てはまることですが、特定の交通系ICカードを対象とした割引サービスやポイントサービスは適用されません。
例えば、JR東日本の駅構内にあるNewDays(ニューデイズ)では「毎週金曜日にJRE POINTに登録したSuicaで支払うと、ポイントが5倍貯まる」というキャンペーンを定期的に行なっています。
これはSuicaのみを対象としており、他の交通系ICカードで支払うことは可能でも、ポイントは一切貯まりません。
そのため、よく利用する電車やバス、お店で、ICOCA以外の交通系ICカードを利用した割引やポイント特典があるならば、別途、新規発行した方がお得感があります。
PiTaPaの電子マネーとは共通化されていない
交通系ICカードの全国相互利用後も、PiTaPa(ピタパ)の電子マネーは相互利用に対応していません。
ICOCAでPiTaPaが使えるエリアの電車やバスへの乗車は可能です。
一方で「電子マネーPiTaPa払いのみOK」のお店や自販機では、ICOCA支払いは使えません。
Apple Payには非対応
iPhone7やApple Watch Series 2以降の機種では、スマホ決済サービスApple Pay(アップルペイ)が利用できます。
交通系ICカード&電子マネーで、唯一、Apple Payに対応しているのがSuica(スイカ)です。
さらにスマホ1つで電車やバスに乗れる「モバイル対応」をしているのも、Suicaのみです(モバイルSuica)。
そのため「カードを持ち歩かず、スマホだけで乗車や買い物をしたい」という場合は、Suica一強になります。
交通系ICカードは全国相互利用ができるため、もちろんICOCAエリアでもSuicaが使えます。
JR東日本グループが発行するクレジットカード「ビューカード」と紐付ければ、チャージ金額に応じて1.5%分のカード会社のポイントが還元されます。
通常のICOCAカードでは、クレジットカードを利用したチャージができません。
クレジットチャージが可能なICOCAは「SMART ICOCA」ですが、ポイント還元率が高いカードを使っても1.2%程度を考えると、Suicaとビューカードの組み合わせは破格です。
ICOCAが今後もApple Payに対応しない場合、関西に住んでいる人にとっても「Suica+ビューカード」の優位性がかなり高まると考えています。
モバイルSuica紹介記事:
スマホアプリ「モバイルSuica」の使い方、高い年会費を無料で使うコツは支払い方法にあり
オートチャージは非対応、定期的なチャージが必要
ICOCAはJR西日本や私鉄の駅構内にある自動券売機などで簡単に購入できます。
(阪急電鉄、阪神電鉄、能勢電鉄、北大阪急は2019年春から発売開始)
ICOCAの販売価格は「2,000円」で、500円はデポジット代(保証金)、1,500円は乗車や買い物に使えます。
デポジット代の500円はICOCA解約時に全額返金されるので、ICOCAカード自体は無料で手に入れられます。
ICOCAは前払い型の交通系ICカード&電子マネーなので、その都度チャージをする必要があります。
残念ながらSuicaやPASMOとは違い、オートチャージには対応していません。
ICOCAのチャージ方法
ICOCAへのチャージは、主に駅構内に設置してある機械を利用します。
- 自動券売機
- ICカードチャージ機
- のりこし精算機
- お店(コンビニなど)
チャージ上限は2万円です。
最低チャージ金額は「駅構内:500円、お店:1,000円」となっています。
基本的にバス車内ではチャージができないので、駅まで遠い場合は、ICOCAへのチャージ可能なお店でチャージをおすすめします。
(ちなみにバス降車時、残高不足だった場合は、ICOCA残高から運賃を引いた残り金額を現金で支払う必要があります)
ローソンやセブンイレブン、ファミリーマートなど全国展開しているコンビニはICOCAでの支払いやチャージに対応しています。
レジで店員さんに「ICOCAに○千円分チャージしたいです」と伝えて、現金を出して、カード読み取り部にICOCAカードを置けば、チャージが完了します。
またセブンイレブンなど設置しているセブン銀行ATMでは、交通系電子マネーや楽天Edy、nanacoのチャージも行なえるようになりました。
あわせて読みたい:
コンビニでも電子マネーSuicaへのチャージは行えますか?
SMART ICOCAは現金なしでチャージが可能
ICOCAは改札から出る時に運賃が引き落とされる仕組みなので、改札へ入る際に残高が1円でも入場が可能です。
とは言え、残高不足になる度に、ICOCAにチャージする必要があるのは、正直言うと面倒です。
しかし、現金なしチャージが可能なSMART ICOCA(スマートイコカ)に切り替えれば、問題を解決できます。
SMART ICOCAとは、簡単に説明すれば「クレジットカードを利用したチャージが可能なICOCA」のことです。
JR西日本エリアの駅構内にあるクイックチャージ機にSMART ICOCAを入れて、希望するチャージ金額をタッチするだけですぐにチャージが完了します。
クイックチャージ機以外に、入金機・自動券売機・のりこし精算機でも、クイックチャージが使えます。
チャージ時に現金やクレジットカードは一切不要なので、SMART ICOCAの残高が気になった時にいつでもチャージできます。
ちなみにお店でのチャージは、一般的なICOCAと同じく、現金のみです。
チャージ利用額は、SMART ICOCAと紐付けたクレジットカードに請求されて、後日、カード利用額と一緒に引き落とされます。
そのため、ICOCAチャージ金額分も、カード会社のポイントが貯まり、現金チャージよりもお得です。
紐付けるクレジットカードは、ポイント還元率が高いものを利用すると、同じチャージ金額でも獲得できるポイント数が多くなります。
あわせて読みたい:
電子マネーSMART ICOCAと相性が良い3枚のクレジットカード比較
ICOCA利用でポイントを貯める方法
JR東日本グループのSuicaと比較して、ICOCAは利用率が低い傾向にあります。
まだまだ紙の切符が優勢な理由には、以下のような意見をよく聞きます。
- ICOCAを利用してもポイントや割引がないので旨味がない
- IC運賃もないので、切符を買っても変わらない
- よく利用する区間は、金券ショップで昼特きっぷを買った方が安上がり
そのような現状を打開しようと、JR西日本では昼間特割きっぷを2018年9月30日で発売終了、10月よりJR西日本エリアでのICOCAのポイントサービスが開始されました。
ICOCAのポイントサービスは、事前に無料の利用登録が必要です。
以前と同じようにICOCAを使ってもポイントは一切貯まりません。
利用登録は自動販売機(紺色やピンク色)の[ポイント利用登録]やWEBの[ICOCAポイント利用登録フォーム]から行なえます。
複数のICOCAをお持ちの方は、それぞれ利用登録が必要になり、ポイントの合算はできないので、注意してください。
すでにSMART ICOCAを持っている方は、利用登録は不要です。
またJR西日本以外に、以前からICOCA利用でポイントが貯まるサービスを実施している近鉄と京阪バスについても、あわせて紹介します。
JR西日本エリアの電車利用
JR西日本エリアの電車の利用で貯まるポイントは「時間帯指定ポイント」と「利用回数ポイント」の2種類あります。
◆時間帯指定ポイント
・ポイントの付与対象は「平日10時~17時に入場または出場」または「土休日の終日(始発~最終)」の利用に限定
・時間帯指定ポイントが適用された区間のグループ(区間)単位で、1ヶ月間の乗車回数が4回目からの利用1回ごとに運賃の30%または50%分のポイントを付与
・適応区間は京阪神のみ(JR京都線・JR神戸線・JR宝塚線・一部のJR東西線)
・こどもICOCAは対象外
◆利用回数ポイント
・1ヶ月間の同一運賃区間の11回目の利用1回ごとに、運賃の10%分のポイントを付与
・こどもICOCAは小児運賃の10%のポイント付与
・対象エリアはJR西日本のICOCAエリア
・PiTaPaエリアなどはポイント対象外
時間帯指定ポイント適用区間は公式サイトで確認できます。
ICOCAポイント:時間帯指定ポイント適用区間一覧(PDFファイル)
ICOCA定期券の定期券区内の利用はポイントの対象外です。
そのため、JR西日本のICOCAポイントサービスは「定期券を利用するほどではないが、月に何度も同じ区間の電車を利用する」という人向けです。
例えば、大阪⇔京都の運賃は片道560円、往復1,120円です。
時間帯指定ポイントだと4回目(往復2回の帰りの分)の運賃50%分のポイントが付与されるので、実質半額で電車に乗れます。
ちなみに1ヶ月定期は16,530円なので、元を取るには1ヶ月間で片道30回(往復15回)の利用をする必要があります。
対象加盟店での買い物
ICOCAポイントが貯まるお店で、ICOCAで支払うと、各加盟店での1ヶ月間の利用に応じて200円ごとに1ポイントが付与されます。
ICOCAポイントが貯まるお店
・curico(駅ナカ飲料自販機)
・コカ・コーラ社の自動販売機
・イトーヨーカドー
・Ario
・LOFT
・ビックカメラ
・ソフマップ
・コジマ
残念ながら駅ナカ・駅チカのお店では、ほとんどICOCAポイントが貯まりません。
今後、ICOCAポイントが貯まるICOCA加盟店は増えていくと思いますが、ポイントサービス開始当初は活用する機会は少ないと思います。
駅周辺のコンビニで買い物をするならば「セブンイレブンは電子マネーnanaco払い」など、各社のお得な電子マネーを使った方がポイントも貯まってお買い得です。
あわせて読みたい:
コンビニ別お得に使えるおすすめ電子マネー比較、ポイントが大量獲得できるのは?
近鉄はKIPS ICOCAカード利用でポイント付与
近鉄ではICOCAとKIPSポイントカードが1枚になった「KIPS ICOCAカード」も取り扱っています。
KIPS ICOCAカードは、近鉄やKIPSポイント加盟店での利用でKIPSポイントが貯まります。
- 近鉄電車のIC乗車券利用:200円ごとに1ポイント
- 近鉄線の定期代(現金で購入分):200円ごとに1ポイント
- KIPSポイント加盟店での利用:100円または200円ごとに1ポイント
貯まったKIPSポイントは、駅チカ・駅ナカのお店で1ポイント=1円相当として支払いに充当できます。
ちなみにJR西日本のポイントサービスは「ICOCAのロゴがあるカード」であれば登録可能なので、KIPS ICOCAカード1枚でJR西日本と近鉄の両方のポイントを貯められます。
京阪グループのバス利用
JR西日本とは別に、京阪グループのバス会社(京阪バス、京阪京都交通、京都京阪バス、江若交通)では、ICOCAで利用するとポイントが貯まるサービスを実施しています。
こちらも事前の利用登録が必要で、京阪バスの案内所や営業所窓口、インターネットから手続きを行ないます。
運賃の10%分がポイント還元されて「貯まったポイント≧運賃」になれば、自動的にポイントから精算される仕組みです。
同じ運賃区間を利用していた場合、11回目の乗車の運賃がポイントで支払われる形です。
(残高不足で現金で支払った分の金額は、ポイント付与対象外)
ポイントの有効期限は、最後のポイント付与日または利用日から1年間です。
有効期限を過ぎると、ポイントと会員資格が失効します。
関西でICOCAを利用するメリットとは?
関西圏でよく利用されている交通系ICカードは「ICOCA」と「PiTaPa」があります。(首都圏で言うところのSuicaとPASMOのような感じです)
発行数で比較すると、2018年のデータではICOCAが1,800万枚以上、PiTaPaは300万枚と、圧倒的にICOCAが優勢な状況にあります。
これはPiTaPaが後払い型の交通系ICカードで、残高不足の心配がない一方、クレジットカードとの紐づけや発行に際して審査が必要なことが伸び悩みの原因と言えます。
またJR西日本でも利用回数や区間運賃に応じた割引が受けられるようになったので「ICOCAを利用する旨味」が出てきました。
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関西で使うならICOCAとPiTaPaメリットが大きいのはどっち?
とは言え、最低でも同じ区間を4回以上利用しなければ、ポイント付与されません。
ICOCA利用で確実にポイントを貯めたい場合は「SMART ICOCAでクレジットチャージ」することです。
またスマホ1つで電車やバスに乗りたい時は、モバイルSuicaやApple Pay(Suica)を利用する方法もあります。
(実際に、関西圏の公共交通機関にて、iPhoneでSuica払いする人はよく見かけます。)
こちらのチャージもクレジットカードが使えるので、手持ちのクレジットカードの決済ポイントを貯められます。