モバイルPASMOのお得な使い方、定期券(私鉄・地下鉄・バス)やクレジットチャージ、バス特にも対応
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2020年10月6日:追記更新
iPhoneでもモバイルPASMOが使えるようになりました。
PASMO(パスモ)利用者に朗報です。
2020年3月18日よりモバイルPASMOのサービスが開始しました。
今まで、交通系ICカード・電子マネーでモバイル対応をしていたのは、Suica(スイカ)のみでした。
PASMOのモバイル対応により、PASMOエリアの関東私鉄・バスの定期券をスマホで使えるようになりました。
今までPASMOカードを利用していた人が、モバイルPASMOに切り替えるメリットは下記のとおりです。
- スマホで定期券(鉄道・バス)の利用・購入ができる
- バス特のポイントやチケットがスマホで確認できる
- ほとんどのクレジットカードから、定期券購入やチャージが可能
- 紛失・故障時の再発行手続きが、スマホでできる
目次
おサイフケータイ対応のAndroidスマホでPASMOが使える
モバイルPASMOの利用開始は簡単です。
おサイフケータイ対応のAndroidスマホに、モバイルPASMOアプリをインストールします。
あとはモバイルPASMOにチャージをすれば、カードタイプと同じように、電車やバスの利用、交通系電子マネー対応のお店の支払いに使えます。
PASMOカード、おサイフケータイ対応スマホともに、非接触型ICの「FeliCa(フェリカ)」技術を採用しています。
そのため、モバイルPASMOでも、カードタイプと同じチャージや支払いができます。
iPhone(Apple Pay)には未対応
残念ながら、モバイルPASMOのサービス開始当初は、iPhoneではPASMOを使えません。
モバイルSuicaでもそうだったように、今後、iPhone(Apple Pay)にも対応する可能性はあるので、今は待つしかなさそうです。
ちなみに、モバイルSuicaは、おサイフケータイ対応のAndroidスマホ、iPhone(iPhone7以降)、Apple Watch(Apple Watch2以降)、フィーチャーフォンでも使えます。
モバイルPASMO | モバイルSuica | |
---|---|---|
Androidスマホ | ◯ | ◯ |
iPhone、Apple Watch | × | ◯ |
フィーチャーフォン | × | ◯ |
おサイフケータイ非対応の端末 | × | × |
一部機種はモバイルSuicaと併用可能
スマホの機種ごとに、モバイルSuicaとの併用可能・不可がわかれます。
- モバイルSuica・PASMOの両方とも、発行可能(併用可)
- モバイルSuica・PASMO、どちらかのみ発行可能(併用不可)
- モバイルSuicaのみ対応
2020年3月18日現在、ほとんどの機種でモバイルSuicaとの共存ができません。
SONYのXperia 1やGoogleのPixel 4など、比較的新しい機種のみ対応しています。
手持ちのスマホで、モバイルPASMOが使えるかどうかは、「モバイルSuica・PASMO対応機種一覧(PDFファイル)」で確認できます。
併用不可のスマホにモバイルPASMOをインストールすると、下記の文字が表示されて、エラーになります。
カード処理でエラーが発生しました。他の交通系カードが既に発行されております。
詳細はサポートポータルもしくは、https://vmenu.pasmo.jp/をご確認ください。(F0-08)
ちなみに、モバイルPASMO非対応の機種にインストールすると「注意事項 ご利用の機種はおサイフケータイに対応しておりません」と表示されます。
モバイルSuica・モバイルPASMOを併用できる場合、おサイフケータイアプリの設定から、メインカードを「モバイルSuica」または「モバイルPASMO」に切り替えができます。
たとえば、スマホをかざした際にPASMOを使いたいときは、メインカードを「モバイルPASMO」に設定すればOKです。
メインカードから外れた方は、自動改札機やバス運賃機、レジなどでの利用はできません。
iPhoneでは、複数のカードをWalletアプリで管理・利用が可能です。
モバイルPASMOがApple Pay対応になれば、一つのアプリでSuicaとPASMOの両方が使える可能性は高いです。
モバイルPASMOで使える機能・サービス
モバイルPASMOは、会員登録やクレジットカード登録の有無で、使える機能・サービスが異なります。
クレジットカードの登録は任意ですが、定期券の購入やクレジットチャージの利用には必要不可欠です。
無記名 | 記名/カード登録あり | 記名/カード登録なし | |
---|---|---|---|
SF(電子マネー)機能 | ◯ | ◯ | ◯ |
定期券機能 | × | ◯ | × |
現金チャージ | ◯ | ◯ | ◯ |
クレジットチャージ | × | ◯ | × |
残額履歴の確認 | ◯ | ◯ | ◯ |
再発行手続き | × | ◯ | ◯ |
退会時の払いもどし | × | ◯ | ◯ |
モバイルPASMOでは、Suicaグリーン券売機でのグリーン券購入はできません(PASMOカードは可能)。
スマホで定期券の利用・購入ができる
モバイルPASMOの恩恵をもっとも得られるのが、PASMO定期券の利用者です。
モバイルSuicaはJR東日本グループのサービスで、JR東日本の路線が含まれない定期券の発行はできませんでした。
そのため、首都圏の地下鉄や私鉄、バスを通勤や通学で使う人は、カードタイプのPASMO定期券を持ち歩く必要がありました。
モバイルPASMOに定期券機能がつくことで、スマホでいつでも定期券が購入でき、スマホ一つで移動が可能になります。
特にバス定期券利用者は、スマホで定期券の購入ができるのは、結構ありがたいと思います。
従来、バス定期券の購入には、営業所や案内所の窓口で申込み書を提出する必要があり、手間がかかりました。
さらに、窓口の営業時間は「遅くても20時まで」が多く、訪れるタイミングが難しい場面もあったのが、スマホでいつでも購入・更新ができるのは助かります。
会員登録・クレジットカード登録が必要
モバイルPASMO定期券の購入・利用には、会員登録と本人名義のクレジットカード登録が必要です。
本人名義のクレジットカードが発行できるのは、「原則、18歳以上(高校生を除く)」のため、高校生以下はモバイルPASMOで定期券を作れません。
対応ブランドは、VISA、Mastercard、JCB、American Expressです。
5大国際ブランドの内、Diners Club(ダイナースクラブ)のみ対応していません。
海外発行のクレジットカードや、3Dセキュア認証非対応のカードも登録不可です。
クレジットカードは2枚まで登録可能で、「仕事用とプライベート用」や「運賃用と買い物用」など、クレジットカードを用途別にも使い分けられます。
カードタイプのPASMO定期券の場合、定期代の支払いは、特定のクレジットカード(鉄道事業者提携クレジットカード)のみや現金のみという場合が多かったです。
モバイルPASMOなら、手持ちのクレジットカードで定期券代を支払えるのは、お得感があります。
ポイント還元率の高いクレジットカードで支払えば、多くのポイントを獲得できます。
クレジットカードの登録の際は、事前に各クレジットカードで本人認証サービス(3Dセキュア)の登録が必要になります。
本人認証サービスの登録手続きは、カード会員サイトから行えます。
あわせて読みたい:
3Dセキュアとは?ネット上のカード不正利用を防止する本人確認サービスです
定期券を発売する鉄道・バス事業者一覧
モバイルPASMO定期券を発売予定の鉄道・バス事業者は、以下のとおりです(2020年3月18日現在)。
(学割乗車券は、18歳以上の大学生・専門学校向けのみ発行予定)
JR東日本やその他Suica・PASMO事業者との連絡定期券も発行可能です。
- 鉄道
- 小田急、京王、京成、京急、相鉄、東急、新京成、東武、東京メトロ、東京都交通局、西武鉄道、北総鉄道、ゆりかもめ、千葉モノレール、横浜高速鉄道、横浜市交通局、横浜シーサイドライン、埼玉高速鉄道、首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)
- バス
- 小田急バス、江ノ電バス、川崎市交通局、川崎鶴見臨港バス、関東バス、京王バス、京成バス、西武バス、相鉄バス、立川バス、東急バス、東京都交通局、東洋バス・千葉シーサイドバス、西東京バス、日立自動車交通、横浜市交通局
PASMOエリアで上記に名前がない鉄道事業者は、伊豆箱根鉄道、江ノ島電鉄、関東鉄道、湘南モノレール、多摩モノレール、東葉高速鉄道、箱根登山鉄道、舞浜リゾートラインです。
将来的にモバイルPASMO定期券を販売するかどうかは、まだ情報が出ていません。
とりあえず、モバイルPASMOサービス開始時は、上記鉄道事業者のモバイルPASMO定期券や連絡定期券は購入できない可能性がある、と考えたほうがよさそうです。
バス特のポイントやチケットがスマホで確認できる
PASMOやSuicaでバスに乗車すると、「バス特(バス利用特典サービス)」が利用できます。
バス特(バス利用特典サービス)では、毎月のバス利用額に応じて、運賃1円ごとに1バスポイントが貯まります。
1,000バスポイントが貯まるごとに、100~330円分の「特典バスチケット」がもらえ、次回のバス利用時に運賃が自動的に値引きされます。
今までは「バスポイントが何ポイント貯まっていて、バスチケットの残額はいくらあるか?」の確認が難しく、なんとなく使っていた人が多かったです。
モバイルPASMOなら、バス特情報がスマホから確認できるため、ふだんからバスを利用する人にとって、使い勝手が良くなりました。
バス特の情報確認は、モバイルSuicaでは非対応です。
ほとんどのクレジットカードからチャージ可能
今までPASMOの残高へチャージ(入金)するには、駅の券売機やチャージ機、バス営業所、コンビニなどのチャージ対応店舗、セブン銀行ATMまで、わざわざ行く必要がありました。
また、クレジットカードからPASMOへのチャージは、PASMOオートチャージ対応のクレジットカードを利用した「クイックチャージ」と「オートチャージ」のみ使えました。
モバイルPASMOなら、手持ちのクレジットカードを登録すれば、スマホからすぐにチャージでき、残高不足の心配がありません。
さらに、チャージ金額に応じたクレジットカードの決済ポイントも貯まり、現金チャージよりもお得です。
モバイルPASMOに登録可能なクレジットカードは、VISA、Mastercard、JCB、American Expressです。
PASMOは最低でも初乗り運賃以上の残高がないと、駅の改札機で足止めにあいます。
電車やバスの利用時に残高不足で困った経験がある人は、スマホで即時入金できるメリットを実感しやすいと思います。
さらに、PASMOオートチャージサービスに対応したクレジットカードなら、モバイルPASMOでオートチャージも利用できます。
対象カード登録でオートチャージにも対応
PASMOでは、PASMO・Suicaエリアの駅改札機を通過時に、残高が設定金額未満だと、一定金額が自動的にチャージされる「PASMOオートチャージ」が利用できます。
モバイルPASMOでも同様に、PASMOオートチャージ対応のクレジットカードを登録・設定すれば、モバイルPASMOでもオートチャージが使えます。
- パスタウンカード(JCB)
- 小田急ポイントクレジットカード
- 京王パスポートカード
- 京急プレミアポイントカード
- 京成カード
- 相鉄カード
- SEIBU PRINCE CLUBカード セゾン
- TOKYU CARD
- Tokyo Metro To Me CARD
- 東武カード
- 横浜交通hama-eco card
- Shonan Card
一部のクレジットカードについては、PASMO定期券付きクレジットカード一覧、オートチャージサービスが最もお得なのは?で、詳細なカードスペックを紹介しています。よろしければあわせてお読みください。
各種ポイントサービスにも対応
PASMOではPASMOキャッシュレスポイント還元サービスと、各事業者が独自に実施するポイントサービスがあります。
いずれもモバイルPASMOでの利用が可能で、カードタイプとほぼ同様に使えます。
PASMOキャッシュレスポイント還元サービス
PASMOを使って買い物をした際、対象店舗で2%または5%のポイント還元が受けられます(電車・バス運賃の支払いは対象外)。
キャッシュレスポイント還元サービスを受けるには、事前に専用サイトでメールアドレスの登録と必要事項の入力をします。
会員本登録の入力ページには、PASMOのID番号を入力する欄があります。
モバイルPASMOに登録すると、新しくPASMO IDが発行されるので、モバイルPASMOでもPASMOキャッシュレスポイント還元サービスを利用できます。
ただし、1つのメールアドレスに対して、PASMO IDは一つしか登録できません。
すでにPASMOカードでキャッシュレスポイント還元サービスを利用している方は、別のメールアドレスで登録する必要があります。
各事業者が独自に実施するポイントサービス(例:メトポ)
たとえば、東京メトロの「メトロポイントクラブ(メトポ)」のように、PASMO事業者が独自のポイントサービスを実施しているところもあります。
メトポでは、登録したPASMOで東京メトロ線に乗車すると、利用回数や曜日に応じたポイントが貯まります。
メトポはモバイルPASMOでも利用可能です。
東京メトロ駅構内にある水色のICチャージ専用機で、本登録やPASMOカードからの変更手続きをします。
物理的に、カードタイプ以外はポイントの登録や受け取りができない(券売機などにカードを挿入する必要があるなど)仕様だと、モバイルPASMOでポイントサービスの利用は難しいのがデメリットです。
紛失・故障時の再発行手続きがネットでできる
カードタイプのPASMOを紛失したとき、記名PASMOとPASMO定期券は再発行が可能です。
PASMO紛失時の再発行手続きの手順は、下記のとおりです。
- PASMO(Suica)エリアの駅やバス営業所へ行く
- 「PASMOを紛失したので再発行手続きをしたい」と伝える
- 申請書に必要事項を記入して提出、本人確認書類(運転免許証など)を提示する
- 再発行整理券を受け取る
- 再発行登録の翌日から14日以内に、駅やバス営業所へ行く
- 係員に再発行整理券を提出、本人確認書類を提示する
- デポジット代500円と再発行手数料520円を支払う
カードタイプのPASMOは、当日中に再発行ができず、翌日以降に再発行をしに出向く必要がありました。
モバイルPASMOの場合、スマホの紛失や故障時の利用停止や再発行が、ネットから行えます。
PASMO再発行のために、2度も駅やバス営業所まで行く必要がないのは、手間がなく便利です。
ただし、会員登録をしていない無記名タイプでは、再発行や払い戻しができません。
これはカードタイプと同じ仕様です。
PASMO定期券・バス利用者は切り替えのメリットあり
モバイルPASMOの利用が向いているのは、PASMO定期券・バス利用者です。
スマホで定期券の購入・利用ができ、期限が切れる前に券売機や窓口で継続購入する手間が省けます。
また、バス特のポイント・チケット情報がスマホで確認できるため、よくバスを利用する人にも向いています。
一方、モバイルPASMOとモバイルSuicaとの併用が難しい関係で、
◯利用しているスマホ機種の関係で、モバイルSuicaしか対応できない。
◯すでにモバイルSuicaを活用しており、PASMO定期券を利用する予定がない。
という人は、モバイルPASMOの新規登録や切り替えをするメリットは少ないです。
ふだんの交通系ICカードの使い方を振り返ってみて、自分はモバイルPASMOの利用が向いているかどうか考えてみてください。
モバイルSuicaとモバイルPASMOの違いについては、下記記事で詳しく比較しています。