PiTaPa(ピタパ)
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PiTaPa(ピタパ)は関西を中心に普及している交通系ICカード&電子マネーです。
関西や東海・北陸など数多くの鉄道会社・バス会社で構成された「スルッとKANSAI協議会」が発行しています。
PiTaPaはポストペイ(後払い型)方式で、PiTaPaを利用した分は後日、支払い先に指定した口座から引き落とされます。
そのため、ICOCAのなど他の交通系ICカードとは違い、残高不足の心配がありません。
また1ヶ月間の利用回数や利用額に応じた割引も受けられます。
後払い方式を採用していることから、PiTaPaエリア外や交通系ICカードが支払いに使えるお店での利用には、注意が必要です。
この記事では、PiTaPaの特徴や使い方、ICOCAとの比較を含めて紹介したいと思います。
レジでの合言葉は「PiTaPaで払います」。
目次
後払い方式で残高不足の心配なし
PiTaPaは交通系ICカードとしては珍しく、後払い方式を採用しています。
PiTaPaポストエリアの電車やバスの乗車賃、PiTaPaショッピング加盟店で買い物をした代金は、後日、金融機関口座から一括で引き落とされます。
そのため、残高不足の心配がなく、事前チャージやのりこし精算は一切必要ありません。
2018年10月1日からJR西日本の京阪神エリアでも、PiTaPaの後払い方式が利用できるようになりました。
ただし、以下の場合は、従来通りPiTaPaカードにチャージした残高から支払われます。
- JR西日本ポストペイエリア内とエリア外の駅間の利用(例:姫路⇔播磨新宮)
- JR西日本ポストペイエリア外とエリア外の駅間の利用(例:岡山⇔広島)
- のりこし精算機でPiTaPaカードと他の切符を併用した精算
- (PiTaPaポストペイエリア外の)自動券売機で切符を購入
また同日に開始されたJR西日本のポイントサービス「時間帯指定割引」や「利用回数割引」も、事前登録不要で利用できます。
そのため、PiTaPaカードで、ICOCAエリアも利用する人にとって、かなり使いやすくなりました。
PiTaPaエリア外の電車やバス利用時は事前にチャージが必要
PiTaPaエリアの電車やバスで、PiTaPaを利用する際、事前のチャージは不要です。
ただし交通系ICカードの全国相互利用エリア(一部ICOCAエリアを除く)では、ポストペイ機能が使えません。
そのため、事前にPiTaPaへチャージが必要になります。
PiTaPaへのチャージ方法は、以下の2種類あります。
- 全国相互利用エリアの自動券売機などで現金チャージする
- オートチャージ機能を利用する(PiTaPaエリア限定)
オートチャージ(自動入金)では、PiTaPaカードの残額が1,000円以下の場合、PiTaPaエリアの改札口や運賃箱の読み取り部にタッチした時、自動的に2,000円が入金されます。
チャージ金額はポストペイ利用時と同じように、後日、一括で請求&引き落とされます。
オートチャージ機能の登録は、PiTaPaカード入会申し込み時やPiTaPaポストペイエリアの係員窓口などで行なえます。
ICOCAやSuicaなど他の交通系ICカードとは違い、コンビニやスーパーなどのお店でチャージはできません。
電子マネーは相互利用ができない
他の交通系ICカードは、お店の支払いに使える電子マネーも共通化されていますが、PiTaPaだけは電子マネーの全国相互利用に対応していません。
そのため、交通系ICカードが使えるお店でもPiTaPaマークがなければ、PiTaPaで支払いはできません。
一方、PiTaPaが使えるお店で、他の交通系ICカードのマークがなければ、ICOCAやSuicaなどの交通系ICカードは使えません。
全国展開するコンビニでもPiTaPaの利用の不可が異なり、使えたとしても一部地域や店舗限定な場合もあります。
PiTaPaが使えるコンビニ
- ローソン:一部店舗
- ファミリーマート:近畿2府4県全店舗と三重県・愛知県の一部店舗
- asnas(アズナス)
- アンスリー
そのため、PiTaPaは他の交通系ICカードよりもショッピングの支払いに使えるお店が限られているのがデメリットです。
利用回数や利用額に応じた割引サービス
PiTaPaを利用するメリットとして、毎月のPiTaPa利用回数や利用額に応じた割引」があります。
PiTaPaポストペイエリア共通割引サービス
利用回数割引
1ヶ月間の同一運賃区間の利用回数に応じて割引
利用額割引
1ヶ月間のPiTaPa利用の合計額に応じて割引
交通機関によって、割引サービスの内容や割引額が微妙に異なります。
普段からよく利用している電車やバスがあれば、Webサイト「PiTaPa倶楽部」や駅・営業所の窓口で、PiTaPa割引サービスの登録をおすすめします。
PiTaPaショッピング加盟店でポイントが貯まる
PiTaPaが使えるお店(PiTaPaショッピング加盟店)では、支払い金額に応じてショップdeポイントが貯まります。
電子マネー利用額100円ごとに1ポイント貯まります。
またカード会社の各種ポイントをショップdeポイントに移行も可能です。
ショップdeポイントが500pt貯まると、自動的にPiTaPaポストペイサービス利用分から50円を差し引かれます。
そのため、ポイント還元率は0.1%(1ポイント=0.1円相当)と、かなり低いです。
ただし店舗によっては5倍~10倍ポイント進呈を実施している場合もあるので、ポイント倍率が高いお店での買い物に利用することがお得に貯めるコツです。
また、ショップdeポイントの使いみちとして、ANAマイルやJALマイルへ移行する方法もあります。(500ショップdeポイント → 20マイルと交換)
モバイルやApple Payには非対応
PiTaPaは、モバイルやAppleのスマホ決済サービス「Apple Pay」に対応していません。
これはICOCAも同じで、交通系ICカードで唯一対応しているのがSuica(スイカ)です。
手持ちのスマホやケータイが、おサイフケータイ対応であれば、モバイルSuicaアプリをインストールすることで、Suicaが使えるようになります。
またAndroidユーザーは「Google Pay」、Appleユーザーは「Apple Pay」でもSuicaが利用できます。
Suicaは先払い型の交通系ICカード&電子マネーなので、PiTaPaエリアでのポストペイ機能は使えず、事前にチャージが必要です。
ただし、アプリ経由で簡単にチャージ可能なので、駅やコンビニでチャージする手間がありません。
またJR東日本グループが発行するクレジットカード「ビューカード」を利用すれば、チャージ金額1,000円ごとに15円相当のポイントが貯まります。
PiTaPa利用時の割引サービスは受けられませんが、毎月、割引対象になるほど、電車やバスに乗らない人には、かなり使い勝手が良いと思います。
一方、PiTaPaだけ使えるお店での支払いに、Suicaが使えないのはデメリットです。
ただし交通系ICカードを買い物の支払いに使うメリットが、そもそも低いので「乗車用」と割り切って使う分には問題ありません。
PiTaPaが今後もモバイルやApple Payに対応しない場合、関西に住んでいる人にとっても「Suica+ビューカード」の優位性がかなり高まると思います。
ICOCAとPiTaPaはどちらを選ぶべき?
関西ではJR西日本が展開しているICOCA(イコカ)が有名なので、「ICOCAとPiTaPaどちらを選んだほうがお得なのか?」と悩むことも多いと思います。
JR西日本エリアの大半がPiTaPaポストペイ対応になったことで、さらに選ぶのが難しいことに…。
ICOCAとPiTaPaのメリットとデメリットを簡単に比較してみました。
ICOCAを選ぶメリット
◆その場ですぐ発行
審査不要でその場ですぐ発行。クレジットカードと結びつける必要なし。
◆電子マネーが全国で使える
ICOCAの電子マネーは全国相互利用に対応しているので、Suicaエリアなどでも電子マネーを使える。
◆発行枚数は圧勝
2018年時点では、ICOCAが1,800万枚以上、PiTaPaは300万枚以上。
PiTaPaは審査やクレジットカードの発行が必要な分、所有のハードルが高い。
PiTaPaを選ぶメリット
◆利便性が高い
後払い方式なので、PiTaPa・ICOCAエリアの電車やバスを中心に利用していれば、チャージ不要で使い続けられる。
◆利用回数・利用額割引がある
各交通機関の「マイスタイル」などの割引サービスが登録できる。
ICOCAはJR西日本のポイントサービスのみ利用可能。
利便性やお得度ではPiTaPaの方が上なのですが、発行の簡単さから、ICOCA利用者が圧倒的に多いです。
さらに詳しい比較については、下記の記事で行なっています。
あわせて読みたい:
関西で使うならICOCAとPiTaPaメリットが大きいのはどっち?
PiTaPaカードの作り方
PiTaPaカードには、主に3つのラインナップがあり、いずれもネットや郵送での申込みが必要です。
- PiTaPaベージックカード
- クレジットカードと提携したPiTaPaカード(一体型/紐付け型)
- 保証金預託制PiTaPaカード
PiTaPaカードは「後払い型」なので、広義のクレジットカード扱いになります。
そのため、本人以外は利用できず、発行には申し込みと審査があります。
PiTaPaカードの申し込みから手元に届くまでは、数週間程度かかります。
一方、ICOCAを含めた多くの交通系ICカードは、自動券売機や係員窓口ですぐに発行できるため、発行に審査が必要なPiTaPaは入手のハードルが高いです。
また18歳以下(高校生を含む)は単独でPiTaPaカードを申し込めません。
本会員の「家族カード」的な形で、PiTaPaカードを発行できます。
PiTaPa提携カード
基本的にPiTaPaはクレジットカードと紐付けて利用する後払い型の交通系ICカード&電子マネーです。
そのため、様々なカード会社が、追加カードや一体型のPiTaPaカードを発行しています。
PiTaPa提携カードは以下のとおりです。
鉄道系
阪急阪神:STACIA PiTaPa(スタシアPiTaPa)
京阪:e-kenet PiTaPa(イーケネットPiTaPa)
南海:minapita(ミナピタ)
近鉄:KIPS+PiTaPa(キップス+PiTaPa)
神戸エリア:KOBE PiTaPa
大阪エリア:OSAKA PiTaPa
京都・大阪エリア:京都ぷらすOSAKA PiTaPa
航空系
ANA:ANA PiTaPaカード
JAL・近鉄:JMB KIPSカード
銀行・カード会社系
池田泉州銀行:STACIA+sa-ica、minapita+sa-ica
三菱UFJ銀行:ICクレジットカード KIPS「三菱UFJ-VISA」
百五銀行:105 BESTIO KIPS
みなと銀行:みなとカード PiTaPa
三井住友カード:三井住友PiTaPaカード
クレディセゾン:UC PiTaPaカード
生活系
関西電力:はぴe PiTaPaカード
洋服の青山:AOYAMA PiTaPaカード、Papas PiTaPaカード、Mamas PiTaPaカード
トヨタ:TS CUBIC PiTaPaカード
クレジットカードによって、年会費の無料・有料や得られる優待特典が異なります。
例えば、STACIA PiTaPaは、阪急阪神グループが発行するPiTaPa機能付きクレジットカードです。
阪急阪神グループの百貨店やショッピングセンター、ホテル、旅行などのカード利用額に対して「Sポイント」が貯まり、1ポイント=1円相当で直接支払いに使えます。
基本的に、普段よく利用する交通機関やお店で特典が得られるクレジットカードで、PiTaPaカードまたは一体型の発行した方がお得に活用できます。
PiTaPaベーシックカード
PiTaPaベーシックカードは、電車やバスの利用、PiTaPaショッピング加盟店での支払いに使えるPiTaPaカードです。
1ヶ月あたりの利用枠(利用限度額)は、交通利用で15万円、ショッピング利用で5万円です。
(定期券購入時の上限は、別途1ヶ月20万円)
クレジットカードと同じように、利用枠以上の支払いには使えません。
毎月のPiTaPa利用額は、金融機関口座からの引き落とされるので、クレジットカードを持ちたくない人に向いています。
入会金や年会費は無料です。
ただし1年間で1回もPiTaPaを利用していなかった場合は、会員1名あたりPiTaPa維持管理料1,000円がかかります。
保証金預託制PiTaPaカード
保証金預託制PiTaPaカードは、1ヶ月分の利用枠(1万円~5万円)の4倍の保証金を預け入れることで、審査不要でPiTaPaカードを持てます。
ただしPiTaPa定期やショッピング、タクシーは使えず、利用方法は電車やバスに限定されます。
他のPiTaPaカードの審査に落ちたり、入会申込書に勤務先や通学先の情報を記入したくない方向けのPiTaPaカードです。
対象年齢は20歳以上で、未成年者は持てません。
諸事情でクレジットカードが発行できない人向けのETCカード「ETCパーソナルカード」と同じような仕組みです。
例えば、毎月5,000円ほど、PiTaPaで交通費を支払いたい場合は、4万円の保証金を預け入れます。
毎月のPiTaPa利用額は、指定した金融機関口座から引き落とされます。保証金からは充当されません。
保証金の預け入れが必要、さらに退会時は保証金払戻手数料がかかることから、利用者はそれほど多くない印象です。
利用者は少ないがお得度は高い
関西エリアでは、ICOCA派とPiTaPa派に分かれますが、発行枚数で勝負するとICOCAを使っている人の方が圧倒的に多いです。
しかし、お得感を比べてみるとPiTaPaポストペイエリアで「利用回数・利用額割引」を導入しているPiTaPaは非常に強力に感じます。
JR西日本でもポイントサービスが開始されましたが、PiTaPaではJR西日本含むPiTaPaポストペイエリア全域で割引サービスが受けられるのは大きいです。
そのため、関西圏で電車やバスを利用する機会が多いのであれば、PiTaPaをおすすめします。
また「毎月それほど電車やバスを利用しない」「スマホ一つで乗車したい」と思う人には、Suicaの選択肢も充分ありです。
2件のコメント
クレカ付きPiTaPaでも引落しはベーシックPiTaPaと同様に銀行引き落としのみじゃないでしょうか?(でないと広義のクレカなPiTaPaの決済を別のクレカでやることになってしまいます)
1枚のカードなのにPiTaPaとクレカ機能で別々に維持費かかるし、鉄道会社がPiTaPaに乗じてクレカを抱き合わせただけの気がします。
>No Nameさん
ベーシックPiTaPa、PiTaPa機能付きクレジットカードともに、利用金額は指定の銀行口座から引き落としです。
確かにPiTaPa維持管理料は1,000円+税かかりますが、年1回PiTaPa機能(乗車、買い物の支払い、IC定期券購入)を使えば無料になります。
またPiTaPa付きクレジットカードの年会費についても、年1回の利用で無料になるカードも多い(例:エメラルドSTACIA、KIPSクレジットカード)です。
そのため、定期的にPiTaPaを利用すれば、金銭的負担なしで便利でお得に使えます。