クレジットカードなしで申込み可なETCカード「ETCパーソナルカード」の作り方

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ETCパーソナルカード

ETCカードは、高速道路など有料道路の通行料金の支払いに限定したカードです。

料金所を一時停止なしで通過&支払いできる利便性のほか、ETC割引が受けられることから、車を運転する機会の多い人に利用されています。

最近は、ETC搭載車しか通れないETC専用IC(インターチェンジ)「スマートIC」を導入している場所も多くなり、さらに持つべき理由が増えています。

ETCカードは、主にクレジットカードの追加カードとして発行されることが多いですが、審査なしでETCカードが作れる「ETCパーソナルカード」も存在します。

「事情があり、クレジットカードを作れない/作りたくない」という人向けのETCパーソナルカードについて、詳しく紹介したいと思います。

※金額・手数料表記はすべて税込です。

審査&クレジット機能なしの「ETCパーソナルカード」とは?

ETCパーソナルカード

ETCパーソナルカードとは、以下の高速道路株式会社が共同で発行するクレジットカードなしで作れるETCカードです。

  • NEXCO東日本
  • NEXCO中日本
  • NEXCO西日本
  • 首都高速道路株式会社
  • 阪神高速道路株式会社
  • JB本四高速

「クレジットカードが持てない/作りたくない」という高速道路利用者の要望を受けて、2005年11月から発行が開始されました。

クレジット機能はなく、ほかのETCカードと同じく、通行料金の支払い限定で使えます。

もちろん、各種割引サービスやETCマイレージサービスは変わりなく利用できます。

申込みから利用までの流れ

郵便ポスト

◆申込書に必要事項を記入して郵送する
申込書は高速道路のSAなどのインフォメーションで手に入ります。
またはETCパーソナルカード事務局に電話(044-870-7333)すると、申込書を取り寄せられます。

◆デポジット(保証金)振り込み
後日、ETCパーソナルカード事務局から払込用紙が送られてくるので、郵便局またはコンビニでデポジットを振り込みます。

◆カード到着
デポジットの入金が確認されしだい、ETCパーソナルカードが郵送で届きます(目安2週間)。

◆利用明細書が届き、料金が引き落される
利用代金の締め日は毎月末日で、翌日27日に登録した口座から1ヶ月分が自動的に引き落とされます。

登録口座は会員本人名義以外にも、会員と同一生計の父母、配偶者(夫・妻)、子ども名義の口座が利用できます。

ETCパーソナルカードはデメリットが多い

下げる

ETCパーソナルカードは、デポジット(保証金)さえ支払えば、審査&クレジットカードなしでETCカードが作れます。

ただしクレジットカードに追加してETCカードを発行するよりも、わかりにくく、面倒なことが多いのも事実です。

利用には最低2万円の預り金が必要

金額を上げる

ETCパーソナルカードは、申込みの条件に「デポジット(保証金)を預け入れること」があります。

有料道路の平均利用月額の4倍の金額を、デポジット(預り金)として預け入れる必要があります。

デポジット代(=保証金)は通行料金の支払いには使えない

デポジットは「ETCパーソナルカードに関する高速道路会社の担保(保証金)」になるもので、通行料金の支払いには使えません。

デポジット(預り金)に関しては、交通ICカードの購入をイメージしするとわかりやすいかと思います。

例えば「Suica(スイカ)」を発行する際は、デポジット代として500円がかかります。

デポジット代の500円は電車や買い物で使えず、カード返却時に返金されます。

Suicaのデポジット代は「カードの使い捨てを防止する」目的があり、ETCパーソナルカードとは意味合いが異なりますが「利用代金には使えない」と「カード返却時に全額返金される」点は共通しています。

平均利用月額が5,000円未満の場合は、5,000円で計算されるので、預け入れに必要なデポジット代は2万円になります。

平均利用月額
※5,000円単位で切り上げ
デポジット代
0円~5,000円 2万円
5,001円~10,000円 4万円
10.001円~15,000円 6万円
15,001円~20,000円 8万円

利用状況によっては、デポジットの増額をお願いされる場合もあります。

「ふだんは毎月5,000円も利用していないので、デポジット代は20,000円で申し込んだ」という場合でも、未払いの利用代金の合計が、預け入れたデポジットの70%(14,000円)を超えると、翌6日、23日に口座からプラス2万円が増額されます。

そのため、帰省や旅行などで高速道路を使うと移動距離が長く、ふだんよりも利用料金がかかるので、使いにくさを感じます。

片道の料金目安(普通車)
東京 ⇔ 海老名:1,330円
東京 ⇔ 海ほたる:2,340円(東京湾アクアラインの片道料金と同じ)
東京 ⇔ 名古屋:7,220円
東京 ⇔ 京都:10,300円

ETC割引は、長距離運転で利用してこそ大きな価値があるので、ETCパーソナルカードは中途半端な存在になりやすいです。

また未払いの利用代金の合計がデポジット代の80%以上になったり、残高不足などでデポジット増額ができなかったりすると、利用停止になる場合があるのも使い勝手が悪いです。

年会費が有料

ETCパーソナルカードは、年会費が有料で、毎年1,257円がかかります。

ETCカードはETC割引料金で通行できるのが大きなメリットですが、毎年必ず年会費が引かれることを考えると「本当に利用がお得かどうか?」が分かれてくるように思います。

申込みから発行までに時間がかかる

時計とカレンダー

ETCパーソナルカードを手に入れるためには、以下のようなやり取りが必要です。

  • 申込書に記入して郵送
  • 事務局から振り込み用紙が郵送される
  • 郵便局やコンビニでデポジット代を支払う
  • ETCパーソナルカードが届く

特にデポジット代の入金からETCパーソナルカードが届くまでの目安期間は2週間と長く、そのため「旅行や帰省の際に使いたい」と思っても間に合わない可能性もあります。

ETCパーソナルカードの不満点として「申込みから届くまでの日数が長過ぎる」という評判はよく聞きます。

一方でクレジットカードのETCカードは、新規申し込みで「最短1週間~2週間」、すでにカードを持っていれば「最短1週間」で手元に届きます。

申込み自体、ネットで受け付けているカード会社も多く、申込み書の郵送や入金のやり取りをしなくてよい分、時間を短縮できます。

法人や個人事業主が申込み可能なETCパーソナルカードは多い

運転手

ちなみに法人や個人事業主向けのETCパーソナルカードは、複数の協同組合が発行しています。

高速情報協同組合
首都・阪神高速道路の利用料金が最大20%割引

首都・阪神高速道路利用協同組合
首都・阪神高速道路の利用料金が最大20%割引
発行条件:ETCカード1枚あたりの首都・阪神高速の月額平均利用額が1万円以上、会社全体の月間利用額が5万円以上

ETC協同組合
高速情報協同組合の姉妹団体。
起業や設立して間もない個人事業主や企業でも作りやすいと評判。

必要経費 出資金(脱退時返金) カード発行手数料 年間手数料
高速情報協同組合 10,000円/1社 629円/1枚 629円/1枚
首都・阪神高速道路利用協同組合 10,000円/1社 1,139円/1枚 629円/年
ETC協同組合 10,000円/1社 880円/1枚 880円/1枚

残念ながら、企業勤めの個人は申し込めません。

クレジットカードに追加して作った方が非常に簡単

ETCパーソナルカードは「申込みや利用の手続きが面倒で、作るのを途中でやめた」という人がいるくらい、ほかのETCカードの作り方とは大きな違いがあります。

正直なところ「何らかの事情でクレジットカードを作れない」という人以外は、素直にクレジットカードとETCカードを申し込んだほうが、確実にわかりやすくて便利で時間をムダにしません。

クレジットカード、ETCカードともに年会費永年無料で使えるカードも多いです。詳しくは下記の記事で紹介しています。

親や兄弟のカードでETCカードを作成してもらう方法も

クレジットカードとETCカード

ちなみに「親から『まだクレジットカードを持つのは早い』と言われている」という理由で、ETCカードを作れないこともあると思います。

クレジットカードによっては、本会員の家族が使える「家族カード」にETCカードを追加で発行できます。

親や兄弟にクレジットカードを持っている人がいれば、自分名義の家族カードとETCカードの発行を頼むのも一つの方法です。

ETCカードはクレジットカードと同様に、カード名義人本人しか使えません。家族間でも貸し借りはNGです。

ちなみに利用するETCカードの名義人は運転者、同乗者のどちらでも構いません。

そのため、親が車に同乗する形であれば、親名義のETCカードを利用しても問題ないです。

家族会員のETCカード発行には、本会員がETCカードを持っていることが条件になる場合もあります。

詳しいETCカード発行の条件に関しては「(クレジットカード名) ETCカード」で検索すると出てきます。

家族会員名義のETCカードは、家族カードと同じように、利用代金は本会員の口座から一緒に引き落とされます。

利用明細には「利用年月日/ETC/利用代金/利用者」が記載されるので、自分が使った分は、後から支払う形になります。

詳しくは以下の記事で解説しています。

家族会員は「本会員と生計を同一にする高校生を除く18歳以上の方」が対象になります。

同一生計とは、例えば「実家で親と一緒に暮らしている」、「仕事の都合で単身赴任している」、「一人暮らしで別居しているが、実家から生活費や学費の仕送りがある」場合が当てはまります。

家族と生活の財布が同じであることが条件なので「二世帯住宅で、親とは家計が別」や「自分の稼いだお金で一人暮らししている」は、同一生計にはなりません。

諸事情で今すぐはクレジットカードを持てなくても、まずは「家族カード」からはじめてみて、就職や結婚などの節目となるタイミングで検討してみてもよいと思います。

本カード、家族カードともに年会費無料で使えるクレジットカードについては下記で比較しています。よろしければあわせてお読みください。

関連リンク

この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
クレジットカード広場の執筆者・現管理人。クレジットカード利用歴は10年以上になりました。知れば知るほど奥深いクレジットカードの魅力や危険性を、多くの人に理解してもらうため、日々勉強中です。

より良い情報をお届けするため、川原裕也 がメンテナンスを担当いたしました。( 更新)

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