近鉄グループのKIPSクレジットカード7枚を徹底比較!PiTaPaカードを持つならどれが良い?
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近鉄グループの公式カード「KIPSカード」には、クレジット機能つきのKIPSクレジットカードがあります。
複数のクレジットカード会社と提携して発行されており、カード名が「KIPS ○○○カード」や「○○○ KIPS」とあれば、KIPSクレジットカードのラインナップの1枚です。
KIPSクレジットカードは、近鉄グループの電車やお店でポイントアップする鉄道&流通系クレジットカードです。
各カードの共通点と持つメリット、KIPSクレジットカードを選ぶ際に違いについてまとめてみました。
※金額・手数料表記はすべて税込です。
目次
近鉄の定期券代がカード払いできる
近鉄の定期券は「ICOCA 定期券」、「KIPS ICOCA定期券」、「磁気定期券」を取り扱っています。
いずれの定期券もクレジットカードで購入する場合は、KIPSクレジットカードしか使えません。
クレジットカード | 取り扱い場所 | |
---|---|---|
定期券 | KIPSクレジットカード限定 | 定期券うりば、定期券・特急券自動販売機 |
特急券、乗車券、企画乗車券 | VISA、mastercard、JCB | 特急券うりば、インターネット予約・発売サービス(特急券のみ) |
普通券(片道・往復) | VISA、mastercard、JCB、American Express、Diners Club | 駅営業所 |
例えば、楽天カードをお持ちの方は、普通券や特急券、乗車券はカード払いOKです。
一方で、KIPSクレジットカードではないため、定期券の支払いはできません。
ちなみにPiTaPaカード(KIPS PiTaPaカード)では「区間指定割引サービス」に登録すると、どれだけ利用しても1ヶ月の定期運賃を越えません。
定期券は「定額」ですが、PiTaPaは利用回数が少なければ、その分、安くなります。
月ごとに電車利用がマチマチな方は、定期券よりもPiTaPaカードを利用したほうがお得になりやすいです。
KIPS PiTaPaカードを発行できる
KIPS PiTaPaカードは、KIPSクレジットカードに追加して発行できるPiTaPaカードです。
単体でKIPS PiTaPaカードは作れず、必ずKIPSクレジットカードが必要になります。
近鉄電車の乗車に応じて、KIPSポイントが貯まります。
利用額200円ごとに1ポイントが付与され、1ポイント=1円として、KIPSポイント加盟店の支払いに使えます。
またPiTaPaカードの利用額割引や、区間指定割引も利用できます。
KIP ICOCAカードとの違いは?
KIPS ICOCAカードは、KIPSポイントカードとICOCAの一体型カードです。
ポイントカード&プリペイド式の交通系ICカードなので、12歳以上なら近鉄の主要駅な駅で誰でも発行できます。
発売額は、1枚2,000円(デポジット代500円含む)です。
カード内の残高が不足してきたときは、対応の自動券売機やコンビニでチャージ(入金)を行ないます。
近鉄電車の利用で200円ごとに1ポイント貯まり、定期券も付帯できます。
KIPS PiTaPaとの違いは、以下のとおりです。
- 12歳以上ならば誰でも持てる(家族カードはなし)
- 先払い型で事前にチャージが必要
- 定期券として使える(PiTaPaのような区間指定割引がない)
KIPS PiTaPaカードは、1ヶ月分の利用金額をまとめて精算できるので、利用額割引や区間指定割引が使えます。
ちなみに、定期券を購入するのが、現金またはKIPSクレジットカードかによって、付与されるKIPSポイントが微妙に異なります。
現金払い
KIPS ICOCAカードにKIPSポイントが貯まる(近鉄線運賃分200円ごとに1ポイント)
KIPSクレジットカード払い
KIPSクレジットカードに支払い金額に応じたKIPSポイントが貯まる
定期券を利用する区間が「近鉄線-JR」のように、他社線を含む場合は、KIPSクレジットカードで支払ったほうが、得られるKIPSポイントが多くなります。
ICOCAとPiTaPaの違いについては、下記の記事で比較しています。
交通系ICカード比較:
関西で使うならICOCAとPiTaPaメリットが大きいのはどっち?
年1回以上のPiTaPa利用で維持管理料が無料
PiTaPaカードは、通常、維持管理料(1,000円)がかかります。
ただし、年1回以上、KIPS PiTaPaカードで乗車したり、買い物の支払いをしたりすれば、維持管理料が無料になります。
また一部KIPSクレジットカードでは、KIPS PiTaPaカードを年1回以上利用すると、クレジットカードの年会費も無料です。(詳しくは後述)
KIPS PiTaPaカードを持っていない場合は、年5万円以上のカード利用で年会費無料になるため、ふだんはあまりカードを使わない人でも持ちやすくなっています。
PiTaPaカードの詳しい内容については、下記記事も参考にどうぞ。
あわせて読みたい:
関西はPiTaPa(ピタパ)がお得な理由、電子マネー利用には注意
近鉄グループの買い物でポイントアップ
KIPSクレジットカードは、通常200円ごとに1ポイント貯まります(ポイント還元率は0.5%)。
しかし、近鉄グループの利用では、さらにポイントアップします。
特に近鉄百貨店でカード払いすると、最大5%のKIPSポイントが獲得できます。
近鉄百貨店
普通商品:100円ごとに5ポイント
特価商品、食品、レストラン:100円ごとに1ポイント
近商ストア
200円ごとに1ポイント
その他近鉄グループの店舗・施設
例:定期券購入、ホテル、レストラン、バス、タクシーなど
100円または200円ごとに1ポイント
近鉄グループ以外のカード加盟店
200円ごとに1ポイント
また近鉄百貨店では年間のお買い上げ金額に応じて、翌年の普通商品の基本ポイント率がアップします。
年間お買い上げ額 | 翌年のポイント率 |
---|---|
30万円未満 | 5% |
30万円以上 | 8% |
50万円未満 | 10% |
新規申し込みが可能なKIPSクレジットカード7枚の違いを比較
KIPSクレジットカードは、複数のカード会社から発行されています。
ぱっと見のデザインが同じなので「正直、どれを選んでよいかわからない」という声も聞こえてきます。
現在、新規で申し込み可能な7枚のKIPSクレジットカードを発行会社と国際ブランド、入会資格、年会費、追加カード、付帯サービスなどの項目で比較してみました。
発行会社と国際ブランドがそれぞれ違う
国際ブランド | 発行会社 | 提携先 | |
---|---|---|---|
KIPS 三菱UFJカード | Mastercard/VISA | 三菱UFJニコス | - |
KIPS-三井住友カード | Mastercard/VISA | 三井住友カード | - |
KIPS-JCBカード | JCB | ジェーシービー | - |
KIPS UCカード | Mastercard/VISA | クレディセゾン | - |
JMB KIPSカード | Mastercard/VISA | 三菱UFJニコス | 日本航空(JMBが付帯) |
ICクレジットカード KIPS 「三菱UFJ-VISA」 |
VISA | 三菱UFJ銀行 | 三菱UFJ銀行(三井住友銀行のICキャッシュカードとの一体型) |
105 BESTIO KIPS | VISA | 百五銀行 | 百五銀行(普通預金口座の所有者が申し込み可能) |
いずれのKIPSクレジットカードも、大手カード会社と提携しています。
後述しますが、カード会社ごとに付帯サービスに違いがあるので、どのカード会社でもこだわりがない場合は「どのような独自サービスが受けられるか」で決めてもよいように思います。
国際ブランドは、「VISA」「Mastercard」「JCB」から選べます。
海外利用まで考えると特にVISAがおすすめですが、そもそもKIPSクレジットカードは海外で使うメリットが少ないです。
そのため、国内でクレジットカードを利用する分には、どれを選んでも問題なく使えます。
入会資格は全体的に審査のハードルが低め
クレジットカードは「一時的にカード会社にお金を借りて、後日返済する」という仕組みになっています。
そのため、クレジットカードを持つためには、カード会社の信用に足る人物かどうかを判断するための入会審査を通過する必要があります。
クレジットカードによって「審査基準」が異なりますが、KIPSクレジットカードは全体的に入会資格のハードルが高くありません。
KIPS UCカード
・18歳以上※専業主婦、学生も申し込み可能
KIPS-三井住友カード
・18歳以上(高校生を除く)
KIPS 三菱UFJカード
・18歳以上で安定した収入がある
・18歳以上の学生(高校生を除く)
JMB KIPSカード
・18歳以上で安定した収入がある
KIPS-JCBカード
・18歳以上で本人または配偶者に安定継続収入がある
・18歳以上の学生(高校生を除く)
三菱UFJ-VISA
・20歳以上で安定した収入がある
・20歳以上の学生
105 BESTIO KIPS
・20歳以上で収入がある
・百五銀行の普通預金口座を決済口座に指定できる
・百五銀行の営業エリア内(三重県・愛知県全域、岐阜県・和歌山県の一部)に住んでいる
自分の状況にあったKIPSクレジットカードに申し込みやすいのは、メリットといえます。
年会費有料でも年1回以上利用すれば怖くない
KIPSクレジットカードは、いずれも年会費は初年度無料で使えます。
翌年度以降については「有料だが、条件を満たすと無料になる」と「ずっと年会費無料で使える」に分かれます。
年会費が永久無料
三菱UFJ-VISA、105 BESTIO KIPS、KIPS UCカード(学生は在学中)
月間100円、年間最大1,200円
JMB KIPSカード
年会費1,375円
KIPS 三菱UFJカード、KIPS-三井住友カード、KIPS-JCBカード、KIPS UCカード
年会費が永久無料のクレジットカードは、1年に1回も使わなくても年会費がかかりません。
ただしKIPS PiTaPaカードの維持管理料(1,000円)が発生する点は、注意が必要です。
また年会費有料のKIPSクレジットカードでも、KIPS PiTaPaカード会員は年1回以上の利用で無料になります。
電車やお店でPiTaPaカードを使えば、クレジットカードとKIPS PiTaPaカードともに実質無料で使い続けられます。
そのため、各KIPSクレジットカードの年会費の無料・有料については、あまり気にしなくてもよいと思います。
同時申し込みの可否と発行可能なKIPS PiTaPaカードの種類
同時申し込み | PiTaPaキッズ/ジュニア | |
---|---|---|
KIPS 三菱UFJカード | ○(申込書での入会のみ) | ○ |
KIPS-三井住友カード | ○ | × |
KIPS-JCBカード | ○(申込書での入会のみ) | ○ |
KIPS UCカード | ○ | × |
JMB KIPSカード | ○(オンライン入会で本会員のみ) | × |
ICクレジットカード KIPS 「三菱UFJ-VISA」 |
× | × |
105 BESTIO KIPS | ○ | × |
KIPS PiTaPaカードは、クレジットカードとの一体型ではありません。
別途、KIPSクレジットカードの追加カードとして発行する必要があります。
KIPSクレジットカードによって「クレジットカードと一緒に申し込めるもの」と「カードが手元に届いてから、KIPS PiTaPaカードを申し込める」に分かれます。
すぐにKIPS PiTaPaカードがほしい場合は、オンライン入会でクレジットカードと同時に申し込めるものををおすすめします。
また小中学生の家族がいる人向けのPiTaPaカード「PiTaPaキッズ/ジュニア」については、発行の有無がカードによって異なります。
「誰にPiTaPaカードを持たせたいか」でも、選ぶべきKIPSクレジットカードが変わってきます。
追加可能なカードと付帯サービスも要確認
KIPSクレジットカードでもっとも大きく違いが出るのは、付帯サービスの内容です。
高速道路の料金所を一時停止なしで通過&支払いができる「ETC専用カード」は、どのKIPSクレジットカードでも追加できます。
一方で、クレジットカードと紐づけて利用する電子マネーは、カード会社ごとに使える種類が違ってきます。
特に後払い型の電子マネー利用を考えている人は「どの電子マネーが使えるか?」は要確認です。
KIPSクレジットカード7枚について、それぞれ追加可能なカードと付帯サービスを下記でまとめてみました。
- KIPS 三菱UFJカード
- ETCカード、銀聯カード、Apple Pay
- 不正使用被害の補償サービス
- KIPS-三井住友カード
- ETCカード、iD(専用カード、携帯型)、バーチャルカード、Apple Pay、三井住友カードWAON
- お買物安心保険(年間100万円)
- KIPS-JCBカード
- ETCカード、QUICPay
- ショッピングガード保険(海外:最高100万円)
- KIPS UCカード
- ETCカード
- イープラスの優待、国内・海外のパッケージツアーが最大8%OFF
- JMB KIPSカード
- -
- JALマイレージバンク(JMB)、JAL ICサービス
- ICクレジットカード KIPS「三菱UFJ-VISA」
- ETCカード、プラスEXカード
- 海外旅行保険(最高500万円)、ショッピングセイバー(最高100万円)、当行ATM利用手数料、提携先コンビニATM利用手数料が安くなる
- 105 BESTIO KIPS
- ETCカード、Apple Pay
- 百五銀行との取引状況に応じて「DCハッピープレゼント」のポイント倍率がアップ
基本的に、ごく一部のカードを除き、旅行保険は付帯していません。
旅行時のトラブルに備えたい方は、別のクレジットカードの利用・所持をおすすめします。
関連記事:【人気ランキング】旅行保険で選ぶ年会費無料のクレジットカード
KIPSクレジットカードは付加価値で選べばOK
複数のカード会社から発行されているKIPSクレジットカードですが、どれを選んでも近鉄グループの優待は同じです。
あとはカード独自の付帯サービスの内容で、自分に合うものがあれば、そのカードに申し込むと使い勝手がよいと思います。
ちなみに、PiTaPaカードが発行できるクレジットカードには、阪急阪神ホールディングスの「STACIAカード」も人気があります。
ペルソナSTACIAカードでは、阪急・阪神百貨店で最大10%のポイント還元が受けられます。
近鉄グループよりも、阪急阪神グループで買い物が多い人は、STACIAカードもおすすめです。

2件のコメント
キップス JCBカードを保有しています。国内旅行にも 保険は付帯していますか?
>ハッチさん
KIPS JMBカードを含め、KIPSクレジットカードは、基本的に国内旅行保険を付帯していません。
当記事では取り上げていませんが、JMB KIPSカード(ゴールド)になると、国内旅行保険が利用できます。