クレジットカードの航空便遅延保険は食事代にしか使えないという事実

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飛行機の遅延

先日、クレジットカードに付帯している「航空便遅延保険」を使う機会があったのでレポします。

一部のクレジットカードには、旅行保険として「航空便遅延保険」が付帯しています。

航空便遅延保険とは、簡単に説明すると、搭乗予定だった飛行機が欠航や大幅に遅延した場合に保険金が受け取れるサービスです。

損害保険会社が提供する海外旅行保険とは違い、事前の申し込みなどは不要です。追加の費用もかかりません。

クレジットカードによっては「航空券をそのクレジットカードで支払っている」などが、航空便遅延保険の適用条件となる場合もあります。

※金額・手数料表記はすべて税込です。

Peach欠航で航空便遅延保険のチャンス到来?

ピーチ

LCCで格安旅行を楽しむ方が増えましたが、LCCは欠航・遅延が多いです

調べてみると、飛行機が欠航したり遅延となる確率は意外と高いことが判明しました。

▶LCCの欠航率と遅延率

  • 欠航率:1%~3%ぐらい
  • 遅延率:5%~20%ぐらい

※遅延率 = 15分以上遅延した便

航空会社によってまちまちですが、なかには100回搭乗したら3回も欠航する航空会社、または100回搭乗で20回も遅延する航空会社も存在しています。

私は今回、中国の上海からピーチ航空で帰国する予定でした。

しかし、「上海の天候の影響で欠航が決定した」というメールを航空会社から受信、当初の予定時刻に帰国ができなくなりました。

ちなみにこの日、ほかの飛行機は問題なく飛んでおり、ピーチだけが欠航になっていました。

飛行機を飛ばすかどうかは各航空会社の判断によります

そういう意味ではピーチは安全性を重視して、厳しめに判断を下しているといえるのかもしれません。

幸いにも、私が航空券の購入に使っていた三井住友カード プラチナには、航空便遅延保険がついていました。

せっかくなので、本当に保険金がもらえるのか聞いてみることにしました。

飛行機の欠航は食事代でしか補償されない

カードデスク

まず最初に、三井住友カードのサポートデスクに電話をしてみました。

すると、クレジットカードの保険については専用の窓口の「VJ保険デスク(三井住友海上)」に電話をと言われたので、そちらへ。

VJ保険デスク(三井住友海上)は、国内からならフリーダイヤルですが、海外からだと通話料が有料になります。

海外からでも、通話料の安いIP電話や、または滞在先のホテルに電話を借りるなどをおすすめします。

しかし、たいていは「海外からかけている」旨を伝えれば、こちらの通話料を気にしてすぐに折り返してくれます。

VJ保険デスクに、搭乗予定だったピーチ便が欠航になったと伝えると、「欠航の場合は最大2万円のお食事代でお手伝いできます」とのこと。

「お食事代?」と思いながらホームページを確認してみると、補償内容は以下のようになっていました。

航空便遅延保険(海外・国内)の主な内容

旅行保険

▶乗継遅延費用(2万円)
2つ以上の飛行機を乗り継ぐ予定だったときに、1つめの飛行機が遅延した結果、2つめの飛行機の出発時間に間に合わず乗り遅れた場合。

この場合に、代替便となる飛行機に4時間以内に乗れなかったら保険適用となります。このケースでは、最大2万円の食事代または、ホテルの宿泊費用が保険金として請求できます。

▶出航遅延・欠航・搭乗不能費用(2万円)
搭乗予定だった飛行機が欠航したり、4時間以上の遅延があった、または航空会社の受付ミスで搭乗できなかった場合。

この場合に、代替便となる飛行機に乗るまでの間に発生した食事代が保険金として請求できます。注意点としては、このケースではホテルの宿泊費は対象外だということです。今回の私のケースは、これに当てはまります。

▶手荷物遅延費用(2万円)
航空会社に預けた手荷物の到着が遅延し、飛行機が到着してから6時間以内に手荷物を受け取れなかった場合。この場合に、必要不可欠な衣類、生活必需品の購入費用等が保険金として請求できます。

▶手荷物紛失費用(4万円)
事例としては上記の「手荷物遅延費用」と同じですが、手荷物が48時間以内に受け取れない場合は「紛失」扱いとなります。紛失扱いになると、補償額がアップします。

※上記は三井住友カード プラチナの場合です。
補償金額や内容は、クレジットカードによって異なります。

※いずれも実費となる点に注意。

三井住友カード プラチナのケースでは、海外旅行の場合は自動付帯で保険適用となっていました。

つまり、ピーチの航空券をほかのクレジットカードで支払っていても、補償の対象となっていたようです。

ちなみに、保有しているほかのクレジットカードにも同様の保険がついていても、保険金を2社から請求できるわけではないので注意です。

また、これらはすべて「実費請求」となるため、保険金として現金が受け取れるわけではありません。

早い話、私の場合では最大2万円の補償が受けられるのですが、そのためには2万円分の食事をとる必要があるということです。

リッツカールトンホテルで上海蟹を食べることに

眺望

2万円分の食事なんてそうそう食べることもできないので、ふだんは行くことがない「ザ・リッツカールトンホテル上海」で、上海蟹を食べることにしました。

といっても2万円分の食事をするのは、意外と大変です。

私は今回、一人旅だったのでリッツカールトンで食事しても1万円程度にしかなりませんでした。上海のご飯は意外と安いのです。

この場合はもちろん、実費請求となるので、私が保険金として受け取れるのは、実際に食事で払った金額分のみとなります。

リッツカールトン上海

「航空便遅延保険」によって贅沢な食事が楽しめたことは、予定通りに帰国できなかった私にとって「不幸中の幸い(棚からぼたもちというべきかもしれません)」でした。

しかし、このできごとがあってから帰国し、保険金の請求をする段階で、想像していなかったもう一つの問題が生じました。

保険の請求がややこしい

山積みの書類

クレジットカードの保険金の請求は、私にとって初めての経験だったのですが、実はとても手続きが面倒です。

保険金の請求をする際に必要な書類が山ほどあるので、これならもう別にいいか・・・と考える人も少なくないと思います。

しかし、もし航空便遅延保険で1万円や2万円の保険料が受け取れたらこれだけで年会費の元は取れるので、やってみる価値は十分にあります。

下記に、私が今回求められた書類と、その取得方法についてまとめておきます。

▶航空便遅延保険の保険金を請求するときに必要だった書類

欠航証明書(または遅延証明書)
航空会社が発行している、欠航や遅延を証明する書類です。

空港のカウンターでも受け取れますが、ピーチ航空の場合はネットから予約番号等を入力するだけで取得でき、それを自分でプリントアウトするだけの簡易的なものでした。

証明書は、帰国してからでも取得できます。

食事したお店の領収書(原本)
食事をしたお店で領収書をもらうようにします。レシートでもOKですが日時が記載されているものが望ましいです。

支払い方法は問われず、現金で支払っても問題がないのですが、証拠になるように保険金を請求する予定のクレジットカードで支払っておくのがよいと思います。

チケット(またはEチケット)のコピー
搭乗券は捨てずに保管し、コピーが取れるようにしておきます。

最近はEチケットとなっていることも多いので、飛行機の予約を証明できるメールなどは保管しておきましょう。

パスポートのコピー
出国・入国の日程がわかるページと、写真ページのコピーを提出します。

もちろん、飛行機の遅延や欠航が確定した時点で、クレジットカード会社の保険デスクに連絡するのも忘れずに。

保険デスクに電話しておくと、後日、保険金請求のパッケージが届きます。上記の書類を同封して返送すると、その後保険金の査定となり、払い戻されるという流れです。

約1ヵ月程度で入金

航空機遅延の日から約1ヵ月程度、保険金の申請からは半月程度で保険金が入金されました。

前述の食事のほかに、フライト前に買ったスターバックスのコーヒーやスイーツなども申請を出していました。

結果は、すべて承認になり、代替機の搭乗前に支払った費用はすべて保険金でカバーできました。

この保険金を含めると、航空機遅延で損をするどころか、逆に得したことになります。

とはいえ、いつ遭遇するかわからない航空機遅延のために毎月保険料を支払っているわけもなく、この保険はクレジットカードの年会費の範囲ですむものです。

年会費が有料のクレジットカードを敬遠する人は、多いです。

一方で、このような保険によって、年会費以上のメリットを感じられるシーンというのは、実はたくさんあります。

航空便遅延保険がついているクレジットカード

旅行中の男性

今回は、三井住友カード プラチナの例を紹介しました。

年会費1万円程度のゴールドカードでも、航空便遅延保険がついているものもあります。

飛行機の遅延発生率や欠航率は、意外と高いです。

LCCを使って格安の旅行に行くことが多い方には、航空便遅延保険つきのクレジットカードは特におすすめです。

クレジットカードの航空便遅延保険は、事前申し込みなどは不要です。

別途手数料がかかることもなく、すべて年会費に含まれています。

次の項目では、旅行保険の補償内容が充実している、おすすめのクレジットカードを取り上げています。選ぶ際の参考になれば幸いです。

dカード GOLD

dカード GOLD

年会費:11,000円

国内旅行:利用付帯
海外旅行:自動付帯

乗継遅延費用:2万円
出航遅延・欠航・搭乗不能費用:1万円
手荷物遅延費用:1万円
手荷物紛失費用:2万円

【コメント】
国内旅行も補償の範囲となるバランスの取れたカード。

個人的には、NTTドコモの携帯補償10万円分がついているため、iPhoneなどの液晶も無料で修理できるという点に魅力を感じている。

▼dカードの詳細記事はこちらです▼

セゾンゴールド・アメリカンエキスプレスカード

セゾンゴールド・アメリカン・エキスプレス・カード

年会費:11,000円

国内旅行:なし
海外旅行:利用付帯

乗継遅延費用:3万円
出航遅延・欠航・搭乗不能費用:3万円
手荷物遅延費用:10万円
手荷物紛失費用:10万円

【コメント】
補償額が大きいのでおすすめ。1度でも30,000円の補償が出れば、年会費以上に相当する。ただし、国内旅行保険は適用外。

アメックスブランドなので海外での優待も大きい。

ゴールドカード セゾン

ゴールドカードセゾン

年会費:11,000円

国内旅行:なし
海外旅行:利用付帯

乗継遅延費用:3万円
出航遅延・欠航・搭乗不能費用:3万円
手荷物遅延費用:10万円
手荷物紛失費用:10万円

【コメント】
補償内容はセゾンゴールド・アメリカンエキスプレスカードと同じ。ただ、こちらはややクレジットカードとしての人気が劣る。

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この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
クレジットカード広場の初代管理人です。年会費無料カードから高級カードまで幅広く所有。最近はお気に入りのクレジットカードをiPhoneに登録して、Apple Payで支払うことが増えました。

より良い情報をお届けするため、川原裕也 がメンテナンスを担当いたしました。( 更新)

ありがとうございます。

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