クレジットカードが不正利用されたら全額返金される?対処法と補償されないケースとは

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スマホを見て驚く女性

カードが紛失や盗難にあって、不正利用された場合は全額補償(返金)が受けられます。

実物のクレジットカードが盗まれていなくても、カード情報が盗まれた場合も同様です。

たとえばスキミング、フィッシング、なりすまし、利用していたサイトから情報漏えい、ウイルスやスパイウェアなどの被害も補償対象になります。

請求された代金(チャージ)をカード会社から取り戻す(バック)ため、カード用語では「チャージバック」と言われます。

「クレジットカードは使いたいけど、不正利用が心配…」と不安に思う人向けに、不正利用が発覚した場合の対処法と補償の有無について紹介します。

不正利用が発覚するおもなケースは「利用明細で身に覚えのない請求を見つける」と「カード会社から電話がかかってくる」の2つです。

利用明細で身に覚えのない請求を見つける

普段よりも請求金額が高く、利用明細を見たときに見覚えのない利用店名と利用金額が表記されていた場合、不正利用の疑いがあります。

不正利用かどうかを確認する、もっとも有効な対処法はカード会社に電話して、利用を確認することです。

カード会社のオペレーターさんに「△月△日に発行された利用明細で、○月○日(店名)□□□□円と記載があります。私は利用した覚えがないので調べて欲しいです」と伝えれば、利用確認をしてくれます。

その際に「(商品名やサービス名)を購入した覚えはありますか?」など、具体的に何をカード払いしたのか教えてもらえます。

そのため、自分で買った物だと分かれば「私が購入したもので間違いありません。お調べいただいて、ありがとうございました」で、この件は終了です。

カード利用日から利用明細を確認するまでに日数が経っていたり、普段利用しないお店でカード払いをしたりすると、自らカード払いしたことをすっかり忘れることは少なくありません。

この手の問い合わせは良くあることなので、気になる請求があるときは、とりあえず連絡して確かな情報を得ることが大切です。

一方で、やはり見に覚えがなく「購入した記憶がない」と答えれば、くわしい調査が入り、不正利用が判明次第、請求が取り消されます。

一連の流れは以下の通りです。

0.利用明細で不正利用を確認
1.カード会社に電話する
2.利用確認
3.請求の取り消し

クレジットカードの不正利用は、次に解説する「カード会社からの連絡」で分かることが多いです。

不正利用かどうか微妙なカード利用になると、カード会社の不正感知システムに引っ掛からないので、利用明細を確認しないと発覚しません。

たとえば以下のようなカード利用だと、カード会員本人の可能性が考えられるので、カード会社から連絡がこない可能性があります。

  • 日用品など毎日の生活で使用する商品の少額購入
  • 過去に利用した経験があるネット通販サイトやネットサービスの利用

大切なのは毎月の利用明細の詳細を確認することです。

特に郵送される紙の明細書ではなく、Web明細を利用していると「いつでもネットで確認できる」という安心感から、つい確認を忘れやすいです。

最低でも締め日(カード利用の請求金額が確定される日)には、利用明細を確認するなど、決まった日に確認する習慣をつけることをおすすめします。

補償を受けるには不正利用日から60日以内に届け出ること

不正利用された日から一定期間までにカード会社に連絡をすることで、不正利用の補償が受けられます。

カード会社によって異なりますが、届け日から60日以内のカード利用が当てはまります。

補償期間が過ぎていても、なかには補償が適用される事例もあるので、とりあえずカード会社に連絡を取ってみてください。

利用通知メールが届くクレジットカードは早期発見に役立つ

メール通知

クレジットカードのなかには、カード利用があるたびに、登録メールアドレス宛に利用日と利用金額などの情報が届くメール通知サービスがあります。

請求額確定メールよりも、早い段階で分かるので、不正利用の早期発見に役立ちます。

利用ごとのメール通知サービスがあるクレジットカートとしては、以下のカードが挙げられます。

  • エポスカード:カード利用通知サービス
  • 楽天カード:カード利用お知らせメール
  • オリコカード:お知らせメール
  • au PAY カード:ご利用速報メール

メール通知サービスを利用するには、各カード会員サイトで登録手続きが必要です。

ほかにもJCBカードの「安心お知らせメール」エポスカードの「お支払予定額通知サービス」のように、支払予定額が設定金額以上になった場合に、メールでお知らせするサービスもあります。

カード会社から電話が来る

カードデスク

不正利用が発覚するもっとも多いケースは「カード会社から確認の電話が来る」ことです。

カード会社では不正利用防止の取り組みとして24時間365日監視の不正検知システムが行なわれています。

普段のカード利用と異なる不審な利用があったときは、カード会社から以下のような確認の電話がかかってきます。

(カード会社名)の○○です。

□月□日の□時にカード利用がありますが、お客様の利用で間違いないでしょうか?

「利用はしていません」と伝えて、不正利用が判明すれば、請求はされません。

不正利用として判断されやすい事例は以下の通りです。

  • 同額の商品やサービスを何度もカード払いしている
  • 金券など換金性の高い商品や高額な商品を連続で購入している
  • 普段は少額利用なのに、突然高額な買い物になった(逆パターンもあり)
  • いきなり海外でカードが利用されている

自分が利用した場合でもカード会社から連絡が来る可能性が高いので、電話がかかってきたら「自分が利用した分です」と伝えればOKです。

不正利用された代金は全額補償(返金)される

クレジットカードと通帳

不正利用が判明した分の請求は、引き落とし前か後かで補償(返金)の内容が異なります。

基本的に、クレジットカードの不正利用と認められた場合は、全額補償(返金)なので、1円も負担はありません。

引き落とし前
・請求が取り消される
・調査に時間がかかる場合は「引き落としを保留」または「一旦代金を引き落としされた後、口座に返金」

引き落とし後
・登録した口座宛に代金が返金される

一方、デビットカードの場合は、補償限度額に制限があります。

デビットカードはカード利用額が即座に口座から引き落とされるので、使いすぎの心配がないですが、クレジットカードと同様に不正利用のリスクはあります。

デビットカードとクレジットカードの支払いサイクルの違い

メインバンクの不正利用の補償は以下の通りです。

限度額 補償期間
三菱UFJ銀行(JCB) 1事故あたり500万円 受理60日前~
三菱UFJ銀行(VISA) 1事故あたり100万円 受理60日前~
三井住友銀行(VISA) 1事故あたり100万円 受理60日前~
みずほ銀行(JCB) 不明(非公開) 受理60日前~
りそな銀行(VISA) 年間150万円 受理30日前~(偽造の場合は60日前~)

そのため、不正利用された際の補償を重視で考えるならば、デビットカードよりもクレジットカードを利用した方が安心です。

下記の記事ではデビットカードの補償内容についてまとめています。参考にどうぞ。

補償が適用されないケース

クレジットカードの不正利用でも「カードやカード情報の保管・管理が不十分だった」と判断される場合は補償が適用されません。

おもな事例は以下の通りです。

  • カード裏面の本人署名欄に記名がない
  • 暗証番号(PINコード)が正確に記入されている
  • クレジットカードやカード情報を人に貸した
  • カード情報を記載したメモを見られた・盗まれた
  • 家族や親族、同居人などが勝手にカード利用していた
  • 車内盗難でETCカードを盗まれた
  • (盗難や紛失の場合)警察に届けを出していなかった

補償はカード会社やクレジットカード加盟店が行なう

クレジットカードと現金

不正利用の代金は、自分では1円も支払う必要はありません。

では「不正利用された分は誰が補償するのか?」については、カード会社またはクレジットカード加盟店です。

カード会社が補償するケース
・個人情報の流失による被害
・カードの紛失や盗難が発生してから一定期間内の被害
お店側が補償するケース
・番号盗用による不正利用で、ショップ側が本人確認を怠っていたと判断された場合

最近は、偽造カードや盗難カードを使用した不正利用よりも、オンライン決済で番号盗用による不正利用の被害が増えてきています。

偽造カード 番号盗用 その他 不正利用被害総額
2015年 23.1 72.2 25.6 120.9
2016年 30.6 88.9 22.5 142.0
2017年 31.7 176.7 28.0 236.4
2018年 11.1 131.8 22.8 165.7

(単位:億円)

データ引用元:クレジットカード不正利用被害の発生状況 – 一般社団法人日本クレジット協会

オンライン決済の場合、カード情報と有効期限が合っていれば、手元にクレジットカードがなくても簡単に支払いが可能です。

そのため、カード情報が流失していなくても、カード番号と有効期限を何度も入力する「総当たり」によって、不正利用される事例も出ています。

そこで、最近、ネットサービスに導入されているのが3Dセキュア(本人認証サービス)です。

支払い画面でカード情報を入力した後、国際ブランドの認証サービスの画面に移動して、カード会員本人しか知らないパスワードを入力することで、本人確認を行ないます。

3Dセキュアを導入する加盟店が増えれば、カード番号盗用による不正利用の被害を未然に防止できます。

さらにくわしい3Dセキュアの登録・利用方法については、下記の記事を参考にどうぞ。

不正利用の被害を防止・最小限にする方法

パソコンで確認する女性

最後にクレジットカードの不正利用を未然に防ぐ、被害を最小限にする方法をまとめてみました。

  • 怪しいサイトでカード情報を入力しない
  • 利用明細をこまめに確認する
  • カード利用上限額を低めに設定する
  • メール通知サービスに登録する
  • ネット上にカード番号や有効期限の情報を残しておかない
  • 不正利用の被害にあったときの対処法を覚えておく
  • カード会社から電話が来たときは、きちんと出る

クレジットカードの不正利用の原因は「分からない」ことが多いです。

そのため、カード情報の流失が怖い場合は、現在のカードを利用停止して、新しくクレジットカードを発行するという方法もあります。

カード番号や有効期限が一新されるので、特に継続的な支払いにクレジットカードを利用している場合は、新しいカードが届いたら忘れずに変更手続きをしましょう。

そのほか、クレジットカードの使い方については、下記記事でまとめています。よろしければ合わせてご一読ください。

クレジットカードの取り扱いに関する記事はこちら

この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
クレジットカード広場の執筆者・現管理人。クレジットカード利用歴は10年以上になりました。知れば知るほど奥深いクレジットカードの魅力や危険性を、多くの人に理解してもらうため、日々勉強中です。

より良い情報をお届けするため、疾風AI がメンテナンスを担当いたしました。( 更新)

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