三井住友カードRevoStyle(リボスタイル)
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三井住友カードRevoStyle(リボスタイル)は、リボ払い専用のクレジットカードです。
リボ払いとは、毎月の支払い金額が一定になる支払い方法です。
たとえば、今月のカード利用額が5万円でも、来月の支払いを1万円にできます。
毎月の支払い額が決まっているため、家計管理がしやすく、月々の負担を軽減します。
一方で、ほかの支払い方法と比較して、手数料(率)が高いのがデメリットです。
支払い方法ごとの一般的な手数料率は、以下のとおりです。
- 1回・2回払い:無料
- 分割払い:実質年率10~15%
- リボ払い:実質年率15.0%
今回取り上げる、三井住友カードRevoStyle(リボスタイル)のリボ払い手数料率は9.8%と、驚異の1ケタ台です。
さらに年会費は永久無料、ポイント還元が通常の2倍と、リボ払い利用者にメリットの大きいクレジットカードです。
三井住友カードのリボ払い専用カードには、三井住友カード エブリプラスもあります。
エブリプラスは、2019年11月28日に新規募集を終了しています。
リボスタイルはエブリプラスの後続カードともいえますが、カードスペックは大きく異なります。
特にリボスタイルの返済方式は「残高スライド元利定額」なので、返済期間が長期化して、リボ手数料が高額になるリスクをはらみます。
エブリプラスや他社カードのリボ払いと比較しながら、リボスタイルの上手な使い方を解説します。
目次
カードスペックをエブリプラスと比較
RevoStyle | エブリプラス | |
---|---|---|
リボ払い手数料率 | 9.8% | 18.0% |
支払い方法 | 残高スライド元利定額コース | 元金定額コース |
毎月の返済金額 | 残高10万円以下:5,000円 残高10~20万円:1万円 以降10万円ごとの増額で+5,000円 |
5,000円 1万円以上1万円単位 |
リボ払い手数料請求月のポイント | 200円ごとに2ポイント (通常の2倍) |
200円ごとに3ポイント (通常の3倍) |
※スマホをお使いの方は、左右にスワイプしながら見てください。
リボ払い手数料率が驚異の1ケタ台
一般的なリボ払いの手数料率は実質年率15.0%です。
実質年率15.0%のリボ払いを採用するクレジットカードには、ライフカード、エポスカード、dカード、楽天カードがあげられます。
利用者の多いクレジットカードのリボ払い手数料率は、実質年率15.0%が大半です。
三井住友カードエブリプラスの実質年率は、18.0%と高いのがデメリットでした。
実質年率18.0%ならば、上記で名前を出したクレジットカードのリボ払い(実質年率15.0%)を使った方が、手数料が安くすみます。
一方で、三井住友カードRevoStyleのリボ払い手数料率は9.8%です。
リボ払い手数料率が1ケタ台なのはかなり驚異的で、リボ払いを長期利用しても手数料をかなり安く抑えられます。
実質年率とは「1年間、リボ払いの残高を支払わなかった場合にかかる手数料の比率」です。
「年」率とあるように、返済時期が早ければ利率は下がります。
実質年率9.8%と18.0%の、返済時期ごとの利率の変化を表にまとめました。
期間 | 実質年率9.8% | 実質年率18.0% |
---|---|---|
1ヶ月 | 無料 | 無料 |
2ヶ月 | 0.81% | 1.5% |
3ヶ月 | 1.62% | 3.0% |
半年 | 4.05% | 7.5% |
1年 | 8.99% | 16.5% |
1年1ヶ月 | 9.8% | 18.0% |
三井住友カードのリボ払い「マイ・ペイすリボ」は、初回の手数料は無料です。
2回目以降から手数料が発生するので、実質年率が9.8%や18.0%になるのは、返済開始から13回目(1年1ヶ月)です。
リボスタイルの実質年率は、エブリプラスの8ヶ月目よりも低いことからも、リボスタイルのすごさがわかります。
ポイント付与率は通常の2倍
三井住友カードを利用すると、独自のポイントサービス「Vポイント」が貯まります。
Vポイントは、通常、利用金額200円ごとに1ポイント付与されます。
リボ払い手数料の請求がある月は、通常の2倍、つまり200円につき2ポイントを獲得できます。
通常利用ポイント:200円ごとに1ポイント
リボ払い利用ポイント:200円ごとに1ポイント
—————————
合計200円ごとに2ポイント
Vポイントは1ポイント=1円相当の価値があります。
よって、三井住友カードリボスタイルのポイント還元率は0.5~3%です。
エブリプラスのポイント3倍(還元率1.5%)と比べると、ポイント還元率は下がりました。
三井住友カードのポイントサービス強化により、特定のお店でカード利用をすると、より多くのポイントが貯まります。
ただし、リボ払い専用カードのポイント還元はオマケ程度に考えたほうが賢明です。
カード利用で貯まるポイント数よりも、リボ手数料の方が高い場合がほとんどだからです。
「いつでもポイント2倍になるから」と思い、軽い気持ちでリボ払いを利用した。
なんとなく使い続けていたら、手数料が膨大になり、いつまで経っても完済できない「リボ払い地獄」に陥った。
という失敗談はよく見かけます。
「年会費有料のクレジットカードが多い三井住友カードのなかで、リボスタイルは永久無料だから」と、安易な気持ちで手を出すと痛い目にあいます。
ちなみに、未払い残高のギリギリまで繰り上げ返済をして、リボ払い手数料を数円に抑えながらポイントを2倍にする人もいます。
こちらは、かなり上級者向けの使い方です。
注意!リボスタイルは返済が長期化しやすい
三井住友カードRevoStyleとエブリプラスは、いずれもリボ払い専用のクレジットカードです。
支払い方法は、三井住友カードのリボ払い「マイ・ペイすリボ」のみです。
リボルビング払いとは、毎月一定金額を返済するクレジットカードの支払い方法を指します。
クレジットカードや利用コースごとに、返済方式の組み合わせ方がそれぞれ異なります。
- 残高スライドあり/なし
- 未払い残高によって毎月の金額が変わる/変わらない
- 元利/元金
- 支払い額が一定/支払い額の元金が一定
- 定額/定率
- 支払い額が一定、毎月の未払い残高の一定率(3.0%など)を支払う
リボスタイルとエブリプラスでは、返済方式が大きく違います。
RevoStyle | エブリプラス | |
---|---|---|
支払い方法 | 残高スライド元利定額コース | 元金定額コース |
毎月の返済金額 | 残高10万円以下:5,000円 残高10~20万円:1万円 以降10万円ごとの増額で+5,000円 |
5,000円 1万円以上1万円単位 |
※スマホをお使いの方は、左右にスワイプしながら見てください。
リボスタイルの返済方式は、正直な感想を言うと「返済計画をロクに立てずに使うと、リボ地獄に陥るタイプ」です。
残高スライド元利定額について、図を用いながらわかりやすく解説します。
元利は返済金額が減りにくい
- エブリプラス:元金定額コース
- リボスタイル:残高スライド元利定額コース
元利とは「元金+利子」の略称で、毎月の返済金額にリボ手数料が含まれるタイプです。
公式サイトのリボスタイルの説明に「お支払額にはリボ払い手数料が含まれます」とあるので、元利だと判断できます。
元利のメリットは毎月の支払い金額が一定であることです。
元金は手数料によって、毎月の支払い金額が上下します。
デメリットは返済金額が減りにくいため、返済期間が長期化する(=手数料の総額が割高になる)ことです。
一つ例をあげてみると……
リボスタイルの毎月の返済金額は、未払い残高10万円以下の場合で5,000円です。
では、1万円の商品をリボスタイルで支払った場合、何回目の支払いで完済するでしょうか?
「毎月5,000円ずつ支払うのだから、2回払いと同じく、2回目で完済する」と思うかもしれません。
答えは、3回目の支払いで完済です。
リボスタイルは元利タイプで、毎月の返済額にリボ手数料も含まれるため、全額を未払い残高の返済にあてられません。
毎月の支払い金額(元金+手数料) | 支払い後の残高 | |
---|---|---|
1回 | 5,000円 | 5,000円 |
2回 | 5,000円(4,959円+41円) | 122円 |
3回 | 123円(122円+1円) | 0円(完済!) |
※上記の元金や手数料はあくまでも目安です。実際とは異なる可能性があります。
クレジットカードの2回払いは手数料無料です。リボ払いは2回目の支払いで完済しても、手数料がかかります。
リボスタイルは実質年率の低さが魅力ですが、エブリプラス(元金定額コース)と比べて返済回数が多くなります。
利用する際は返済回数が増えるほど、支払う手数料も増えやすい点に注意してください。
残高スライドは支払い金額が変更できない
- リボスタイル
- 残高10万円以下:5,000円
残高10~20万円:1万円
以降10万円ごとの増額で+5,000円 - エブリプラス
- 5,000円または1万円以上1万円単位
残高スライドは毎月の締切日時点での利用残高に応じて、毎月の支払い額(返済額)が決まります。
エブリプラスでは1万円以上1万円単位で、支払い金額を変更可能です。
そのため、毎月の支払い額を高く設定して、なるべくリボ払い手数料を抑える使い方もできました。
「毎月の支払い額=利用限度額」にして実質1回払いにするテクニックは、マイ・ペイすリボのお得な活用法として有名です。
一方で、リボスタイルは「残高スライド」なので、毎月の支払い額を自由に変更できません。
利用残高が減るごとに、毎月の支払い額も減れば、返済期間が長引き、リボ払い手数料の金額が高額になる原因になります。
リボスタイルを利用する際は、繰り上げ返済の活用が必要不可欠です。
繰り上げ返済でリボ手数料を安く抑える
残高の一部または全額を繰り上げて支払う「繰り上げ返済」を利用すると、返済期間が短くなり、手数料も安くすみます。
三井住友カードでは、以下の方法で繰り上げ返済ができます。
- 口座引き落とし時に金額を増やす(増額する)
- 三井住友カードの指定口座に振り込む
- ATM(提携金融機関、コンビニ)から支払う
当たり前の話ですが、リボ払い専用カードを利用すると、永久的にリボ払いが続きます。
分割払いとは違い、完済までの見通しを立てにくいため、返済の長期化に繋がります。
利用する際は、なるべく早く完済できるように、貯金よりも返済を優先させましょう。
手数料率の低さはやはり魅力、計画的な返済で活用を
残高スライドを採用するリボ払い専用カードには、JCB CARD Rもあります。
こちらは、JCBが発行するプロパーカード「JCB オリジナルシリーズ」の1枚です。
三井住友カードとは、いわばライバル関係にあたります。
リボスタイルと比較したときのJCB CARD Rの特徴は、以下のとおりです。
- 手数料率
- 実質年率15.0%
- 返済方式
- 残高スライド元金定額
- 毎月の支払い金額:2種類のコースから選べる
- ゆとりコース:最低5,000円(残高10万円以下)、最高2万円(残高100万円以上)
標準コース:最低1万円(残高10万円以下)、10万円ごとに1万円加算 - ポイント付与
- いつでも4倍
新規入会や優待店でポイントアップ
JCB CARD Rの詳細
JCB CARD Rのポイント4倍は本当にお得?同じリボ払い専用カードのJCB EITと比較した結果
JCB CARD Rはリボ払い手数料が実質年率15.0%と、一般的なリボ払いと同じです。
そのため、1万円の商品をJCB CARD Rで購入し、ゆとりコースで返済した場合、支払い回数は2回ですみますが、手数料は割高です。
毎月の支払い金額(元金+手数料) | 支払い後の残高 | |
---|---|---|
1回 | 5,189円(5,000円+189円) | 5,000円 |
2回 | 5,063円(5,000円+63円) | 0円(完済!) |
※上記の元金や手数料はあくまでも目安です。実際とは異なる可能性があります。
リボ払いの手数料を軽減したい人にとって、三井住友リボスタイルは、リボ払い専用カードの名前にふさわしいクレジットカードといえます。
ただし「手数料率が低いから」と、使いすぎは禁物です。
返済方式が残高スライド元利定額なので、返済が長期化して、手数料ばかり払っている状態になるリスクは高いです。
特にリボ払いにこだわりがなければ、三井住友カードなど、通常の三井住友カードをおすすめします。
